
印刷物の特色
印刷物の特色とは?
こんにちは。デザイナーのコジマです。
みなさんは、印刷物の「特色」をご存じでしょうか?
特色とは、ざっくり言うと通常の印刷のインキ(CMYK)では表現できない特別な色のことを言います。
わかりやすい例を挙げると「金」や「銀」などでしょうか。折り紙でも1、2枚しか入っておらず特別感がありますよね。
その他にも、蛍光色をはじめ、さまざまな特色がラインナップされています。
▼特色については、こちらの記事をご覧ください。
特色はどんな時に使うもの?
では、この特色ですが、どういった場合に使うと効果的なのでしょうか?
それはやはり、印刷物を強くアピールしたい場合です。
特徴的な発色は通常の印刷物にはない存在感を放ち、数ある印刷物の中でも埋もれずに存在感をアピールすることができます。
▼存在感のある、蛍光色の印刷物はこちら。
では、そんな特色を使った印刷物ですが、データではどのように作成するのか。
それをこれからご紹介しようと思います。
特色データの作り方
ここからは、Adobe Illustratorでの、特色データの作り方について解説していきます。
特色はあらかじめIllustratorなどにデフォルトで整備されていますので、簡単に設定することができます。
アプリケーションのスウォッチパレットからカラーブックを開いていただくと、代表的なDIC社やPantone社の特色を選ぶことができます。
特色の目印としてスウォッチの右下に△と黒い●のマークが付いています。
オプションを開くとカラータイプも特色になっていますのでご確認ください。
特色の準備が整いましたら、あとはデザインしたデータにお好みの特色を配色していただければ完成です。
特色を使ったデータを入稿する時の注意点
どうでしょうか?
データ上で特色を指定するのは意外と簡単でしたね。
では、印刷会社とデータのやり取りをする際に注意する点をご紹介しようと思います。
1.印刷会社に特色を使いたいことを早い段階で伝える
まず1つ目はこちら。当たり前のことですが、事前申告と印刷会社とのコミュニケーションは大切です。
というのも、先ほどお伝えしたとおり、特色は通常のインキ(CMYK)では表現できない「特別な色・インキ」です。
特色インキを使うには、インキ会社から別途取り寄せる必要があります。
物によっては一からインキを調合して作ることもあります。
そうなると、「データを入稿したからすぐに刷って!」という訳にはいかないんですね…。
また、インキを取り寄せたり新たに作るということは、もちろん金額も通常の印刷より割高になります。
金額面でトラブルを発生させないためにも、見積り段階で特色を使うことを必ず印刷会社に伝えるようにしてください。
また、特色の中でも種類によって金額に差はあるので、どういった特色を使いたいのかも大切です。
具体的な特色の番号が決まってない場合は、「蛍光色」「金色」など、ざっくりとした色だけでも伝えておきましょう。
2.特色の番号は実物のチップで指定する
2つ目は、「特色の番号は実物のチップで指定する」です。
特色は各メーカーが見本帳を作っており、そこから希望の特色の番号を探し、使用するインキを指定することが多いです。
ですが、実は見本帳が発行された時期によって「同じ番号でも色が違う!」ということが発生します。
これも起きてしまいがちなミスなのですが、デザイナーが持っていた特色の見本帳と、印刷会社が所持している見本帳の作られた時期が異なり、「メールで特色の番号を指定したところ、全く違う色味で刷り上がってしまった!」ということが稀にあります。
そのため、できるだけ希望する特色のチップを印刷会社に渡し、「これと同じ色で刷ってください」と伝えるのが確実です。
遠方などでどうしてもそれが難しい場合は、「見本帳の第●版の×××(特色の番号)で刷ってください」というように、見本帳の版数も一緒に伝えるようにしましょう。
▼特色の見本帳はこのような形で各メーカーから販売されています。
また、同じ色でも、微妙な色の差の違いで何通りもの種類が存在する場合もあります。
インキ会社によって色に差はありますし、当然、人によってイメージする色は異なりますよね。
例えば、「金色」と言っても「赤っぽい金色」があれば「青っぽい金色」もあります。
「赤」と言っても「朱色」や「えんじ色」などもありますよね。
人によって「イメージする色」は違うので、「金色で刷ってください!」と言っても自分が持つイメージと異なる場合も。
やはり特色は実物をもって、印刷会社と認識をすり合わせることが大切です。
ちなみに、特色は見本帳にない色でも調合して作ることができます。
「この印刷物のロゴと同じ特色で刷ってほしい」などと伝えれば、特色の番号がなくてもインキを作ることができます。
ですが、その際も「印刷する紙の種類が同じ」など、いろいろ条件もあるので、やはり印刷会社と早い段階で打合せを行うことが大切ですね。
いかがでしょうか?
今回は、「特色のデータの作り方と入稿時の注意点」をお伝えしました。
「特色を使うのは大変」というイメージを与えてしまったかもしれませんが、注意点を押さえれば、特色は印刷物をより魅力的なものにするアイテムだと思います。
印刷物に特色を使ってみたい!という企業さま・デザイナーさまがいらっしゃれば、ぜひこちらからお問い合わせください。
《関連記事》
▼オンデマンド印刷でも特色が?!シルバートナーの記事はこちら。
▼印刷会社社員の無謀な実験?!