紙の原料って?何からできている?

紙の原料って何?
「紙は何からつくられているのか」
一見、簡単な問いに思えますが、皆さんはその正体をご存じでしょうか?
「木材からつくられる」という答えは間違いではありませんが、正確に言うと少し違います。
日本国内では、分別による古紙回収率が高まり、約6割は古紙を原料にしてつくられ、残りの多くは木材から抽出される「木材パルプ」を原料としています。
この木材パルプの元になる木材は、「針葉樹」と「広葉樹」の2種類に大別されます。
針葉樹からつくられたパルプは、ドイツ語で針葉樹を意味する 「Nadelbäumek」に由来して「N材」と呼ばれます。モミ、マツ、スギ、ヒノキなどがこれにあたり、繊維が長く、強度の高いパルプが生産できます。
一方、ドイツ語で広葉樹を意味する「Laubholz」に由来する「L材」は、ユーカリ、ポプラ、アカシア、カシなどが該当します。繊維が針葉樹と比べて短いため、紙の強度はN材に劣りますが、紙内部の密度が高くなり、キメの細かさが特徴です。
これらをバランスよく配合することで、機能や用途に応じた紙がつくられています。
紙の原料は木材パルプだけじゃない!
実は、紙の原料には木材以外のものも使われています。
例えば、「わら」「麻」「コウゾ」「ミツマタ」「竹」「木綿」「バガス(サトウキビ)」「ヨシ」「ケナフ(ハイビスカスの仲間)」などの植物も、紙の原料として使われています。
その中でも近年注目されているのが、バナナの茎から作られる「バナナペーパー」です。
バナナは世界125か国で栽培されており、収穫の度に茎が切り落とされます。これまで廃棄されていた茎を紙として活用すれば、世界中の紙需要をまかなう可能性があり、バナナペーパーが普及すれば自然林の伐採を防ぎ、動物たちの住む森を守ることにもつながります。
環境保護につながり、未来に美しい森を引き継ぐことができる。こうした“いいことづくめ”が、バナナペーパーが注目を集めている理由です。狙い通りに普及すれば「途上国支援」にも貢献できます。
▼「バナナペーパー」の詳細はこちらの記事をご覧ください
植物繊維以外からできた特殊な紙も!
さらに、植物繊維以外の原料からつくられた特殊な紙も存在します。
例えば、
・ガラスの繊維を使った「ガラスの紙」
・セラミック繊維を使った「熱に強い紙」
・石からつくられた紙「ストーンペーパー」
などなど…。
「ストーンペーパー」は、当社が制作している「災害対応マニュアル」にも使用されています。水に強く、耐久性に優れた用紙です。
▼「災害対応マニュアル」の詳細はこちら
また、合成樹脂を原料とした「ユポ紙」も有名です。選挙の投票用紙やポスターなどに使われていることで度々話題になります。
▼「ユポ紙」についてはこちらをご覧ください
地球にやさしい原料でつくられた紙も
他にも、地球環境に配慮した原料でつくられた紙など、多種多様な用紙が存在します。
普段何気なく使っている紙が、どんな材料からできているのか調べてみると、新しい発見があるかもしれません。同時に、より環境にやさしい紙に切り変えてみることも検討してみてはいかがでしょうか?
当社は印刷会社として、環境に配慮した印刷物の製造に取り組んでいます。
「自社の印刷物を、より環境に配慮したものに見直したい」など、お困りごとやご相談がありましたら、ぜひ当社までご連絡ください。
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