【RIP処理とは】印刷データ入稿時の注意点とあわせて解説!

クリエイティブ / 印刷・加工

前回のおさらい「なぜ印刷データをRIPに通すのか」

RIPとはRaster Image Processerの略で、RIPを超簡易的に説明するならば「変換機」とお考えください。

DTPソフトやOffice系ソフトでデザインされたデジタルデータは、そのままの状態では印刷ができません。RIPを通し印刷に適したデータに変換しなければ、印刷の元となる「刷版(はんこ)」を製造する事ができないのです。

そもそも印刷とは、網点という細かいドットの集合体で形成されており、文字や写真、イラストなどのイメージを「ドット」で表現している技術です。(新聞をイメージされるとわかり易いと思います)

RIPを通すことによって、デザインされたデジタルデータをドットの集合体に変換し、印刷しているのです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください!

なぜ印刷データをRIPに通すのか?

RIP処理の設定と注意点

印刷会社によって、RIPの設定や機械はさまざまですが、野毛印刷では一般的なRIPの設定である「スミ100%をノセ」に設定しています。

これは可読性を重視するため、ほとんどの印刷物の文字色が「スミ文字で構成」されている事に起因しています。

では何故「スミ100%はノセなのか?」を結論からお伝えすると「版ズレによる事故防止」のためです。

データ作成上の話になりますが、ピンク色(マゼンタ50%)のオブジェクトが背面、その前面にスミ100%の文字が重なっている状態があるとします。

このとき、「スミ100%をノセ」としてRIP処理をしないと、ピンク色のオブジェクトの文字が重なっている部分が「ヌケ」になってしまいます。
このヌケの状態でCMYK4版を重ねて印刷すると、極微細な版ズレでも用紙の「紙白」が現れて白い隙間が目立ってしまいます。

それを防止するためにも「スミ100%をノセ」に設定しているんです。

※ただ、細かい文字の場合はこの設定が役に立つのですが、スミ100%で作ったオブジェクトと、背景が重なる範囲が広かったりすると、下の色が透けたような状態で印刷物ができあがることがあります。
これも「スミ100%をノセ」にしているから起きてしまう事象なのですが、時に意図していない色の状態になってしまうので、範囲が広いオブジェクトの時などはスミ100%にするのではなく、データ上でスミ以外の色を1%ほど混ぜることをオススメします。(そうすることで下の色が透けて印刷される、という事態を回避することができます。)

印刷データ入稿時の注意点

ほかにも、印刷データを入稿する際に注意していただきたい点があります。
それは、カラーモードはRGBでなく、CMYK変換をしてから入稿するということです。

印刷機はCMYKの4色でフルカラーを表現します。フルカラー印刷をするためにRIPを用い、4色に分版処理をしています。

このときに、RIPがRGBデータを受け取ると、RIP内部の変換テーブルで自動的に処理をしたCMYKデータになり、「予期せぬ色味」になってしまいます。それを避ける為にもカラーモードはRGBでなく「CMYK」で入稿していただくことが大切になります。

※RGBとCMYKでは再現できる色の範囲が異なります(RGBの方が広い)。そのため、RGBのデータをCMYKに変換すると、色が沈んだような印象になります。印刷用データははじめからCMYKで作って、色を確認しながら作業を進めていくことをオススメします。

 


いかがでしたか?
今回は「RIP処理の設定と、データ入稿時の注意点」を簡単に紹介させていただきました。

印刷物用のデータは、ほかにも気を付けなければいけない部分がたくさんあります。
少しずつこのヒラメキ工房でも紹介していこうと思いますが、各印刷会社によって設定・対応はさまざまです。不安な時は、必ず問合せてみることをオススメします!

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