
みなさまこんにちは。
今年に入って、印刷課からクロスメディア推進課に異動したイノウエです。
今回は、「聞いたことあるけど、詳しくはわからない…」
そんな反応が多い印刷用語を、「制作編」「製版編」「印刷編」に分けて解説していきたいと思います!
仕事で印刷物に携わる人は、ぜひ読んでみてください。
よく使う印刷用語①「制作編」
「校了」と「責了」
「校了(こうりょう)」
校了とは、文字やレイアウトなど、すべての校正作業が完了し、お客さまの確認で修正箇所が全くないことを意味します。
なので、「お客さまから校了をいただく」=「印刷工程スタート」となります。
校了後の修正・変更・追加などが発生すると、工程のやり直しにより追加費用が発生したり、スケジュール的に対応が困難になることがありますので、最終チェックは慎重に行いましょう。
「責了(せきりょう)」
責了とは「責任校了」ともいい、修正はあるが、お客さまに最終確認はしないで、編集・訂正者の自己責任で校了とすることを意味します。
つまり、最終的なチェックや確認は、編集者や印刷会社が責任をもって行うということです。
制作現場では、お客さまからの修正指示のニュアンスを理解している営業に、最終確認をお願いする「営業責了」といった言葉も使うことがあります。
表紙まわりの呼びかた
下記の言葉を、印刷会社の営業さんから言われたり、校正紙に記述されていたりといった経験はありませんか?
なんとなく意味はわかるので気にされていない方もいると思いますが、今回改めて説明します!
「表1」=「表表紙(おもてびょうし)」
一般的に冊子の表紙にあたる部分を指します。
「表2」=「表紙裏(ひょうしうら)」
表紙を開いた内側(表紙の裏面)を指します。
「表3」=「裏表紙裏(うらびょうしうら)」
裏表紙を開いた内側(裏表紙の裏面)を指します。
「表4」=「裏表紙(うらびょうし)」
一般的な冊子の表紙側の反対側部分のことを指します。
それぞれの呼び方を示した画像を作ったので、ぜひ覚えてみてください!
よく使う印刷用語②「製版(面付け)編」
「面付け」
印刷・断裁・製本加工の都合を考えて、印刷用の版に複数のページを配置していくことを「面付け」といいます。
例えば、冊子を作る場合、「用紙に印刷をする→冊子にするために、印刷済みの紙を折る→折った紙をページ順になるように重ねる→綴じる→余白を断裁する」という工程が発生します。用紙の折り方は「4ページ折」「8ページ折」「16ページ折」などがあり、ページ数や用紙の厚さによって折り方を変えていきます。
折り方が変わるということは、“印刷用の版に配置するページの位置も変わる”ことになります。正しく冊子ができあがるように考えて、印刷会社側で設計をします。
面付けを考えるのは印刷会社ですが、仕組みをよく知っていると、より印刷物を作るのがおもしろくなったりしますよ!
「ドブ」
印刷をした後、断裁や製本を行う際に、どうしても若干の裁ちのズレが発生します。そのため、仕上がりサイズより天地左右に3~5mmほどの余白を作るのですが、その余白のことを「ドブ」と呼びます。
そして、その余白部分が製本時に出て紙の白地が見えてしまわないように、絵柄をドブの中まで入れることを「塗り足し」と呼びます!
この「塗り足し」がないと、不格好な印刷物ができあがってしまうことになるので、紙の端まで印刷をしたい場合は、「塗り足し」が必須になるのでご注意ください。
※ドブ(塗り足し)については、こちらの記事でも触れています!ぜひ、あわせてお読みください。
よく使う印刷用語③「印刷編」
「咥え」「咥え尻」
印刷用紙を印刷機に送り込む際に、印刷機の“爪”で紙の端をつかんでいるのですが、そのつかむ側を「咥え」と呼び、その反対側を「咥え尻」と呼びます。
いろいろなタイプの印刷機がありますが、機械の中を紙が通る際に、中で紙を反転させ、一度で両面印刷ができる機械もあります。
「見当」
複数の色を使って印刷する際の、各色の“位置”を意味しています。
正しい位置に合わせることを、「見当を合わせる」と言います。反対に、見当があっていないことを「見当ズレ」「版ズレ」と言います。
ちなみに、見当の語源は浮世絵からきているんだそうです。
浮世絵はほとんどが版画で刷られていますが、版画もたくさんの色を使う場合、色の数だけ版を必要とします。その際、正しい位置に版を揃えるための目印を「見当」と呼んでいました。
その名残が、現在まで残っているようです。
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以上、3つの工程に分けて、「よく使う印刷用語」を紹介させていただきました。いかがでしょうか?
ぜひ今後のお仕事にお役立てください!
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