なぜ印刷データをRIPに通すのか?

クリエイティブ / 印刷・加工

皆さまはじめまして、制作課出力係のNです。
デザインでもなければプレスでもない「プリプレス」という業務に従事しており、多様な作業工程を経て印刷のもととなる「刷版(はんこ)」を最終的に製造しております。
今回のコラムは「なぜ印刷データをRIPに通すのか?」という専門的なお話になりますが少しの間お付き合い願います。

「RIP」とはそもそも何のこと?

RIPとはRaster Image Processerの略で、RIPを超簡易的に説明するならば「変換機」とお考えください。DTPソフトやOffice系ソフトでデザインされたデジタルデータは、そのままの状態では印刷ができません。RIPを通し印刷に適したデータに変換しなければ、「刷版(はんこ)」を製造することができないのです。
そもそも印刷とは網点という細かいドットの集合体で形成されており、文字や写真、イラストなどのイメージを「ドット」で表現している技術です。(新聞をイメージされるとわかりやすいと思います。)
RIPを通すことによって、デザインされたデジタルデータをドットの集合体に変換し印刷しているのです。

印刷データをRIPにかけるとどうなるのか

アドビ社のIllustratorなどのドロー系ソフトでは「ベクターデータ」という形式を扱うことができます。(ちなみにPhotoshopは画素の集合体であるラスターデータ。)ベクターデータとは図形の輪郭などの曲線情報を数式的に保持している形式のことです。Illustratorは今日の印刷現場では欠かせないソフトですが、FlashアニメーションやWEBの世界でも利用されており、それらはこのままのデータ形式を扱うことができます。
それに対し印刷では曲線情報(ベクターデータ)を、出力機器が理解することができません。そのため、RIPを通し出力機器が読み取れる「ラスターデータ(ビットマップイメージ)」に変換しなければならないのです。
つまり、ベクターデータの曲線情報は、出力機の解像度に応じたドットの集合体として、新たな曲線に生まれ変わるのです。ちなみに、このようにベクターデータをラスターデータ(ビットマップイメージ)に変換することを「ラスタライズ」と言います。

最後に

今日のRIPはベクターデータをラスタライズし網点化するだけでなく、ネットワークと連動させ業務の進捗状況を管理できるなど、新しい技術も組み込まれております。さらなる効率化や品質の向上を目指し、野毛印刷も日々発展を続けていきます。専門用語が飛び交うマニアックな長文解説になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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