印刷の色玉とは?カラーパッチと同じ?【印刷用語を解説】

コラム

印刷物の色玉

「よく知っているものでも名前についての認識がない」というものは意外と多くあります。

たとえば、床屋さんの赤白青の螺旋模様の看板は「有平棒」、金魚すくいに使う網は「ぽい」と呼ぶそうです。
では、福引などに使われるハンドルのついた多角形状の箱、通称「ガラポン」の正式名称はわかりますか?

答えは、「新井式回転抽選器」。
大正時代に帽子屋を営んでいた方が客へのサービスで行った抽選会で、帽子の箱を利用して抽選を行ったのが始まりだそうです。もともとは四角形や円形だったようですが、ガラガラポンと出てくる色玉の音の鳴り方や見た目のよさから現在の形に落ち着いたそうです。

印刷の「色玉」とは

色玉といえば、印刷の品質管理に重要な役割を果たすものに、色玉いろだまというものがあります。

これもよく見かけるけど名前の認識がないものの一つ。
製本された印刷物ではあまり見かけませんが、印刷物の刷色や版数(色数)の確認やインキの濃度管理のために、仕上がりの外側やトンボの近くに配置する印刷管理のためのマークのことです。

カラーバー

食品などの商品パッケージの糊しろや折りしろでもたまに見ることができます。

切手好きの方は、切手シートを買うと切手のまわりの「耳紙」と呼ばれる白い部分に「色玉」が付いているのを見たことがあると思います。
ちなみに切手の場合、基本の4色に特色が2色~4色くらいプラスされているケースが多いです。

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「色玉」の大きさはだいたい5㎜~10㎜程度。
「色玉」と呼ばれることから元々は円形だったと思われますが、特に定められた形状はなく、単純な円形や四角形の他に、印刷会社独自の形やキャラクター風のものまでいろいろ存在します。
基本4色の場合はCMYKが、特色の場合はインキの番号などの文字が記載されることもあります。

フィルム製版が主流だった時代には、下版の際にネガ現像された製版フィルムが使用されていたため、「色玉」は各色版の識別において重要な役割を担っていましたが、CTP(Computer-to-Plate)化された現在では、より精度の高いインキの濃度管理や、キャリブレーション(色補正)のために、各版のベタだけでなく網点の濃度を変化させたり、C+M、C+Yなど各版同士を重ねた色を見せたりするものも多くなっています。

「色玉」は「カラーバー」「カラーパッチ」になった?

現在「色玉」は、「カラーバー(カラーパッチ、コントロールストリップ)」という名前で呼ばれており、どれも同じものを指します。
当社の「色玉」も時代とともに変化し、現在はCMYKのベタや平網の四角形がグラデーションのように連なった形状のものを使っています。

印刷機のオペレーションスタンドには測定器が付いており、「カラーバー(カラーパッチ、コントロールストリップ)」を読み取って、色の濃度を測定してインキ量を調整できるようになっています。

コントロールストリップ

▼詳しくはこちら

【品質維持のために】印刷オペレーターが行っている「色合わせ」について

一般的には、ベタパッチでインキ濃度を確認し、平網パッチでドットゲインの確認をします。他にもスラーやダブリを確認するパッチや、CMYのバランスを確認するためのグレースケールが印刷されているものもあります。
複数の色が並んでいるのにはそれぞれちゃんと理由があるんですね。

異常があるかどうかは肉眼で分かることもありますが、印刷会社の社員は、ルーペを使って網点がきれいかどうか確認しています。

印刷会社から色校正があがってきた際は、ぜひ「カラーバー(カラーパッチ、コントロールストリップ)」にも注目してみてください。

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