
選挙があると大活躍する紙「ユポ紙」
こんにちは。営業部のイシカワです。
皆さんは、選挙の投票用紙やポスターで使われている用紙についてご存じでしょうか?
「ユポ」という名前の紙なのですが、実はこのユポ、通常の用紙と異なり、パルプ(木材)で作られているものではないんです。
業界的には「合成紙」と呼ばれる部類の紙で、PP(ポリプロピレン)と天然鉱物を合成して作られています。
そしてこの「合成紙」であることが、ユポが選挙の投票用紙やポスターに使われている理由であり、さらには私たちの常識を変えるきっかけになっていたのです。
今回は、「ユポ紙」と選挙の関係について、詳しく解説していきます。
なぜ「ユポ紙」が選挙の投票用紙に使われているのか
皆さんは、昔の選挙は投票日と開票日が別々だったのをご存じでしょうか。
いつからか投票日に即日開票されるのが当たり前になっていますが、そうなった経緯にはユポ紙が関わっています。
投票時に有権者は、投票用紙を2つに折って投票箱に入れることが多く、開票作業時には投票用紙を開く作業がありました。
この時間を短縮しようと考え、採用されたのがユポ紙だと言われています。
通常、パルプで作った用紙には必ず用紙の「目」というものが存在します。
紙に対しての繊維の方向のことです。
印刷会社や製本会社はこの「目」に合わせて折りを行うことで、リーフレットをキレイに折ったり本を作ったりしています。
ですが、ユポは合成紙のため、この「目」がありません。
ユポ紙を通常の印刷物で使おうとすれば、「反発が強くて、うまく折れない!」となり、工程に折りがある印刷物には不向きだと言われてしまいます。
しかし選挙会場では、投票用紙がユポ紙でできていれば、たとえ用紙が折られて投票箱に入っていても箱の中で自然と開いてしまうため、それが作業効率の改善につながったのです。
この、ユポ紙の「折った時に反発する特性」が活かされ、開票作業時間が大幅に短縮された結果、即日開票されるようになったのです。
これが、ユポ紙が投票用紙に使われている最大の理由であり、「投票日と開票日は別々だった」という、かつての人々の常識を変えることになったのです。
なぜ「ユポ紙」が選挙ポスターに使われているのか
ユポ紙が投票用紙として使われる理由がわかったところで、続いて選挙ポスターでもユポ紙が重宝されている理由についてご紹介します。
合成紙であるユポ紙は、耐水性・耐久性に優れている特徴があります。
通常の用紙と比べて水に強く、濡れても破れにくいのです。
選挙ポスターは屋外の掲示板に貼られていることが一般的ですよね。
普通の用紙であれば、雨に打たれた時点でポスターがぐちゃぐちゃになってしまいますが、耐水性のあるユポであれば、雨に打たれても問題ありません!
さらに破れにくいという耐久性もあるので、イタズラで破かれる心配もありません。
これが、ユポ紙が選挙ポスターに使われている理由なのです。
「ユポ紙」が活躍するのは選挙だけじゃない!
選挙関連の印刷物で大活躍するユポ紙ですが、当然、選挙以外の印刷物でも活躍しています。
たとえば、水回りの作業や、屋外作業で使うマニュアル。
普通の紙で作ったマニュアルでは、水に濡れるとふやけたり破けたりしてすぐに使えなくなってしまいます。
ですが、先ほど述べたようにユポ紙は耐水性のある用紙です。
濡れてもシワにならず、そのまま破けてしまうこともありません。
水回りの作業や屋外作業で使うマニュアルには、ユポ紙がピッタリだと言えます。
さらに、過去にはユポ紙の特性を活かして、こんなお洒落な印刷物を作ったこともあります。
すべすべした手触りもユポ紙の特徴のひとつなので、意外にもお洒落なデザインと相性が良かったりします。
このように、ユポ紙は選挙の投票用紙をはじめ、さまざまな場面、印刷物で使われています。
「耐水性、耐久性のある印刷物を作りたい!」という時は、ぜひユポ紙の使用を検討してみてください。
また、当社では、印刷物を作る目的・使用シーンを考えて、最適な仕様をご提案させていただきます。
今回のユポ紙の事例のように、「素材や工程を見直すことで、作業効率の改善につながる」ことがあるかもしれません。
もちろん、「ユポ紙を使った印刷物を作ってみたい」等のご依頼でも構いません。
こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください!
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