印刷の特殊加工のひとつ「スクラッチ」

コラム

宝くじには、組や番号が印刷された券を発行する一般的な「開封くじ」に加えて、最近は、ロト6・ロト7のような「数字選択式宝くじ」や、その場で「当たり」「はずれ」がわかる「被封くじ」があります。その「被封くじ」の代表が「スクラッチくじ」です。
印刷された文字の上に銀色のカバーがされていて、コインなどで削って結果を知ることができる「スクラッチくじ」ですが、日本に登場した約35年前は、特殊な印刷加工が必要なため、受注した印刷会社はいろいろ苦労がありました。意外と知られていないことも多いようですので、今号では「スクラッチ」 について探ってみました。

スクラッチとは

「スクラッチ(scratch)」は英語で「かすり傷」「ひっかき傷」や「ひっかく」という行為、さらにはその擬音を表す語で、ギターの弦をこする奏法や、DJのターンテーブルのレコードをこする奏法も「スクラッチ」 と呼んでいます。

スクラッチカードのはじまり

「スクラッチ」が宝くじとして登場したのは1970年代のアメリカ。削るだけの単純な「インスタントくじ」が発行されるとその手軽さから各国で大人気になりました。日本では、宝くじよりも先にキャンペーンでの使用が始まります。
1980(昭和55)年、最初に「スクラッチカード」を採用したファストフード店は、当時まだ見慣れないカードを商品の販売時に配り、銀色の部分を削って当たりが出たらハンバーガーや、フライドポテトがもらえるといったキャンペーンを展開しました。
その後、さまざまなショップで「スクラッチカード」の使用が始まりました。1984(昭和59)年には、日本の宝くじも「インスタントくじ」の名称で発売を開始。当時はまだ「銀はがし方式」と呼ばれていました。

スクラッチのしくみ

「スクラッチ」の印刷は、まず全体をオフセット印刷した後、隠す部分の文字や絵柄の上にOPニスを引き、さらにその上に削ると剥がれるスクラッチインキをシルク印刷で施す方法が一般的。
「銀はがし」の名称の通り、初めはアルミ粉を顔料に使った銀インキが使用されていましたが、金を始めさまざまな色が使われるようになりました。出始めた頃は、スクラッチ用のインキが剥げたり、スクラッチ印刷された部分を光に翳して見ると透けて見えることがあり、印刷物の裏面にはスミのベタ印刷を施したり、解答の文字に網をかけて薄くしたり、と、試行錯誤を重ねました。
現在では、削るときに削りカスが出るというデメリットを払拭するため、削りカスが出ない特殊なインキを使用し、擦るだけで剥がれるものなど、さまざまな方法が開発されています。

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