合紙と書いて「あいし」「ごうし」、 どちらも印刷用語です

コラム

同じ字でも読み方によって違う意味にとられてしまう印刷用語があります。
それが、「合紙」と書いて「あいし」「ごうし」

合紙(あいし)

合紙あいし」は、写真のような数量の確認を容易にするなどの目的で、一定数量の印刷物の間に挟む紙。または、紙を挟み込む行為を示す言葉です。また、印刷や製本の作業時に、印刷インキの乾燥が完璧でない場合に、裏写りなどを防ぐために挟む紙も「合紙あいし」と呼び、「間紙」と書いて「あいし」「あいがみ」という呼び方もされてい ます。

2012(平成24)年の年間ベストセラー第1位、三浦しをんの小説「舟を編む」は翌年の2013(平成25)年映画化され、第37回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞しましたが、この映画で辞書を編集する主人公が「用例採集」という言葉集めをする作業の際に、「間紙」という言葉を採集する場面があり、印刷にかかわる者としてはひそかな喜びを感じる瞬間でした。

合紙(ごうし)

合紙ごうし」は、印刷済みの用紙と厚い板紙を貼り合わせることをいいます。
印刷機によって対応可能な用紙の厚さは変わりますが 一般のオフセット印刷機では、だいたい四六判の220㎏くらいが限度とされており、それ以上の厚さの紙に印刷したい場合は「合紙」加工が必要になります。

「合紙」を必要とする印刷物で需要が多いのは立て看板、各種POP類、箱など。また、主に私鉄の車内広告として使用される通称「まど上」は、B3判の天地を縮めたインターサイズと呼ばれるポスターですが、車体のカーブに沿って貼られるため、どれも裏面にマニラボールなどの板紙によって「合紙」加工がされています。

「合紙」で紙を貼り合せる際、用紙と板紙とでは水分含有量が違うので、そのまま貼ると反りを起こしてしまいます。そこで、加工の際は、貼り合せる用紙に水分を含ませ、板紙の目と貼り合せる用紙の目をあえて逆にすることで、反り返りを防いでいます。つまり印刷用紙が横目の場合は板紙は縦目を使用するようになっています。

もしかしたら生まれてはじめて手にする印刷物は「合紙」された絵本だったかもしれません。すっかり忘れがちですが今だに地域のコミュニケーションに欠かせない回覧板も長く家々を回すため頑丈な「合紙」加工がされています。意外と身近なところで「合紙」が使われています。

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