皆さんが日頃よく手にする「チラシ」。
チラシと似た言葉で、「ビラ」「フライヤー」「リーフレット」といった言葉を聞いたことはありませんか?
それらはチラシを言い換えた言葉でもあるのですが、実は使われ方や仕様によって適した呼び方に変化しているんです。
今回は、それぞれの言葉の語源や使われ方について解説します。
チラシとは
まずはチラシの成り立ちについて解説します。
器に入れた寿司飯の上に具を散らせて作る寿司を「ちらし寿司」と言いますよね。
ペラものの印刷物のチラシも同じように、「散らす」が語源だと言われています。
チラシの歴史は古く、古代のエジプト遺跡から商売への宣伝効果を狙ったパピルス(当時使われていた植物が元となる筆記媒体)が発掘されているそうです。
日本では古くは織田信長の時代、安土城下の楽市においてチラシにあたるものが撒かれていたと伝えられています。
商業が花開いた江戸時代においては、当時「引札」とも呼ばれ、チラシの文化も広く根づいていきました。
チラシと引札、東西で呼び方が違っていたようで、江戸後期の風俗誌「守貞謾稿(もりさだまんこう)」には、「江戸は引き札と云ひ、京坂ではちらしと云ふ」と記されています。
明治時代になると、引札は広告という広い意味でも使われるようになりました。
新聞が発行された2年後の1872(明治5)年に、東京日日新聞で「新聞附録」として引札が配布されました。
今でいう折り込みチラシはここからスタートしたと思われます。
人が集まる場所に置いたり手配りしたりするチラシから、今やポスティングチラシ、B全判を折りたたんだ折込チラシまで、広い範囲でチラシと呼ばれるようになっています。
チラシの言い換え その1「ビラ」
チラシの言い換えの一つに「ビラ」という言葉があります。
ビラの語源にはさまざまな説があります。
まず一つは、紙片の片を「びら(ひら)」とも言うことから来ているという説。
また、擬態語「びらびら」が語源だ、という説もあります。
他には、チラシが人に配られたものに対し、ビラは人目につくところに貼られたもので、英語の「貼り紙」の意味がある「bill」の訛りが語源ではないか、という説もありますが、実際の語源については定かではありません。
大正時代以降、社会運動や学生運動などが盛んになり、人々に訴えるために配った思想などを書いた紙も「ビラ」と呼びました。
そこから使われたのが「アジビラ」。
「Agitation(扇動)」にビラをつけた造語として流行しました。
チラシの言い換え その2「フライヤー」
最近では、チラシでもビラでもなく、ペラものの印刷物を表す呼称として「フライヤー(flyerまたはflier)」がよく使われています。
街頭などで配る小さめの印刷物をそう呼ぶことが多いですが、日本では主に広告やデザイン関係者が、イベントやショップ用のチラシをちょっとカッコつけて呼ぶことで定着したもの。
アメリカなどでは、一時期飛行機やヘリコプターを使って空からチラシをばら撒いて配布する方法がとられていたこともあり、「飛ぶもの」をあらわす言葉が当てられたと思われます。
アメリカでフライヤーは「空飛ぶ営業マン」という意味合いが強いようです。
日本では広告やデザイン関係者の間でフライヤーが定着したこともあり、フライヤーと呼ばれる印刷物はターゲットに合わせてデザイン性を重視する傾向があります。
チラシの言い換え その3「リーフレット」
最後は「リーフレット」という呼び方についてです。
リーフレット(Leaflet)は、英語の通り「Leaf(葉っぱ)」と「Let(小さい)」を組み合わせた言葉が由来になります。
パンフレット(Pamphlet)が2枚以上の紙を使って冊子状に綴じたものであるのに対し、1枚の紙でできた印刷物をリーフレットと呼びます。
1枚の紙を2つ折りや3つ折り、観音折り、ジャバラ折りといった、折り加工をして仕上げた印刷物をそう呼ぶことが多いです。
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以上、代表的なチラシの言い換えとして使われる言葉の解説でした。
改めて整理します。
・チラシ…商業・販促・宣伝的な意味合いを持った印刷物。
・ビラ…チラシと明確な違いはないが、強いて言うなら人々に強く訴える内容のものに使われる。
・フライヤー…チラシをかっこよく言い換えたもの。デザイン性を重視したものが多い。
・リーフレット…1枚の紙に折り加工を施した印刷物でよく使われる呼称。
また、「チラシを丁寧に言い換えた言葉」について聞かれることもありますが、特にチラシの丁寧語はありません。強いて言うなら、フライヤーと言うとかっこよく聞こえるかもしれませんね。
今回解説したチラシのように、同じ印刷物でも使い方や役割は千差万別。
私たち野毛印刷は、効果的な販促ツールを作るにあたって、きめ細かくお客さまのご要望をお伺いしています。
ペラものの印刷物でも、型抜き加工や仕様の工夫など、印刷物に付加価値を加えるご提案も行っています。
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