【トムソンとは】型抜き加工で使われる謎の言葉に迫る!

皆さんは「トマソン」をご存知ですか?
正確には「超芸術トマソン」で、赤瀬川原平らの発見による芸術上の概念です。
創作意図が存在しない視る側による芸術作品を皮肉を込めて称したもので、語源は「空振りを見せるために四番に据えられ続けた」といわれる、プロ野球 読売ジャイアンツの元選手、ゲーリー・トマソンに由来します。
ちょっとしたブームになったのは70年代の頃の話ですから、知らない方が多いと思いますが…。
では、印刷用語というよりも、印刷の加工過程である型抜き加工で度々登場する「トムソン」についてはいかがでしょうか?
「トマソン」以上に謎の言葉でご存じでない方も多いと思います。今回はその「トムソン」の謎に迫ります。
「トムソン」とは型のこと
紙の型抜き加工の主流は、当社にもある「自動平盤打抜機」。
抜き型を作って紙に穴をあけたり、さまざまな形に抜く加工です。
ベースの板に溝を掘り、その溝に鋼の刃物を埋め込んだもので印刷物を型抜きします。
この時の刃を埋め込んだ型を「トムソン型」と言います。
Illustratorなどでつくった型のデータに従って、レーザーで木型に切れ目を入れ、刃を曲げて切れ目の入った木型に埋め、必要な部分にゴムのストッパーを取り付けます。

異なる形状のものを付合せることも。
「トムソン型」は紙を抜くだけでなく、折り目などのスジを押したり、ミシン目を入れたり、空押し加工のような装飾を施すこともできます。
なぜ「トムソン」と呼ばれる?
それがなぜ「トムソン」と呼ばれるのかは、型抜きの歴史を遡ってやっとわかりました。
「トムソン型」は1909(明治42)年に米国で発明され、日本に輸入されたのは1912(明治45)年頃といわれています。
ではなぜ「トムソン」かといいますと、この「トムソン型打抜機」を発売したのが、活字自動鋳造機の開発などをしていた米国のトムソン・マシン社(現トムソンナショナルプレス社)で、発明者がジョン・S・トムソンだったからです。
特に謎めいたこともなく、すんなりと「トムソン」の謎が解けましたが、開発から1世紀以上経っていることには驚きました。
印刷物のどこかに型抜き加工がされていると、手に取る側はワクワクするもの。(ですよね?)
当社の「自動平盤打抜機」も、アイディアに富んだワクワクするような型抜き作業を日々待ち望んでいます。
ちなみに、当社の型抜き加工の事例はこちらからご覧いただけます。
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