四角いドーナッツ形の絵柄。「同じベタの同じ色なのに、刷り上ってみると、穴の抜けている天地方向二箇所が濃くなる!なぜだ!」
といったことが、印刷の現場では起きたりします。
この現象を印刷業界では「ゴースト」と呼んでいます。
「ゴースト」が起こる原因とは?
まずは、下の図をご覧ください。
印刷は地(咥え)から天へ向けて刷られます。
(この図の場合、数字が書いてある側が「地」になります。)
印刷の濃度調整は、横方向に1から30くらいまで、調整することができます。
この図でいうと、2,3,4,5,6,7,8の番号のところだけ、インキをたくさん出します。
要するに、天地の絵柄面積分のインキ量です。9番から27番までは穴が抜けている分少なめに出します。
なので、理屈からいうと均一な濃度で刷れるはずなのですが、印刷機の中はローラーが20数本組まれており、インクが練られています。その練るためのローラーが数本横に振っています。
※インキを練る理由…インキは色の成分顔料、樹脂などいろいろ混ざっているものです。ムラがおきないように良~く練ることが必要です。
先ほど説明したとおり、多くインキを出している場所から、少ない場所へ多少インキが流れ込んでしまいます。このため、絵柄が多いところはインキ量が足らず薄くなり、少ないところはインキ量が多く濃くなり、その濃度の差で濃い薄いが出てしまうのです。
解決方法は
解決方法は、Aの絵柄で抜けている分の絵柄を、天地の空いているところに入れてあげることで、図のように濃淡のない物ができ上がります。この天地の空いているところに入れるベタのことを「捨てベタ」と言ったりします。
こうして、ムラの無いきれいな印刷物ができあがります!