なぜいま? 使い捨てプラスチック製ストロー廃止問題

コラム

最近、スターバックスなどプラスチック製のストローの廃止を決定する企業が相次いでいます。ストローを始めプラスチック製品を禁止する国も。なぜ今、プラスチック製のストローが目の敵にされているのか、検証してみました。

深刻化するマイクロプラスチック

その理由は「マイクロプラスチック」と言われる微小のプラスチックごみが海を汚染していることに起因するのですが、なぜストローばかりが注目を浴びているのか。まずはマイクロプラスチックの問題点について検証してみましょう。
マイクロプラスチックごみは小さくて細かく軽いために、海流に乗って世界中の海へ広がり漂います。そうすると、魚など海洋に棲む生き物がマイクロプラスチックやそれに付着した有害物資を摂取することで、人間の健康にも影響することが懸念されています。
世界のプラスチックの年間生産量は1964年では1,500万トンしたが、2014年には3億1,100万トンと50年で20倍超に増え、2050年には推計11億2,400万トンに上ると想定されています。このうち毎年800万トンが海に流出する可能性があるといいます。

本サイトの環境の日の記事でもプラスチックゴミについて触れておりますので、詳しく知りたい方はコチラもご覧ください。

ストローが注目されたわけは

では、なぜストローに注目が集まったのか。マイクロプラスチック問題の議論が高まる最中、2015年にSNSで拡散されたウミガメの動画の存在が大きいといわれています。絶滅危惧種でもあるウミガメの鼻に詰まってしまったストロー片。取り出すのに8分近くもかかり、その間苦しむウミガメの姿を正視できなかった人がどれだけいたことか。
プラスチック製のストローの廃止が叫ばれる理由は、他にもあります。細長く小さい形状から、ストローはリサイクルされずにゴミ箱に捨てられることが多いから。大半の健常者は、ストローがなくても困らないからです。

そもそもストローって?

プラスチック製のストローの代用としては、紙製やパスタを使うなどさまざまな方向性が示されていますが、製造方法やコスト面などいろいろあるみたいです。
では、そもそもストローはなぜ使われ始めたのか。約5,000年前にビールを醸造していた古代シュメール人は、貴金属でできた細長い筒を壺に入れて、表面に浮いた発酵物の下にある液体を吸い上げて飲んでいたそうです。もともとストローの原材料は麦の穂を切り取った残りの麦わらが使われており、ストローという名称も「麦わら=ストロー(Straw)」からつけられています。1888年代にタバコ用の巻紙の製造会社を経営していた人が初めて飲用ストローの特許が申請し紙製のストローが出回るようになりました。プラスチック製のストローは1960年代から大量生産が可能になりました。

プラスチックごみを考えよう!

私たちの暮らしにはプラスチック製品があふれています。当然ですがプラスチック製のストローだけなくなっても、意味がないといえるでしょう。プラスチックごみを含めたゴミ問題に対する活動としては、3つの英語の頭文字Rに基づいた3R活動がありますし、最近ではこれに4番目のRを加えた4R活動が提唱されています。ごみを減らす「リデュース(Reduce)」、使えるものを繰り返し使う「リユース(Reuse)」、資源として再利用する「リサイクル(Recycle)」と、不要なもの、余計なものを断る「リフューズ(Refuse)」。私たちにいまできることはこの4Rを実践すること。レジでレジ袋を断るように、必要なければストローも断れるはずです。

TAG:環境 

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