色指定
「色指定」とは、製版用の指定のひとつで、本来は版下に色の指定をすることをいいます。CMYKのプロセスカラーを使用する4色刷りでは、原色インキの濃淡を表したカラーチャートを参考に「C○%+M○%+Y○%」のように指定します。一方CMYKで出せない微妙な色や、1色・2色刷りなどの特色指定の場合は色見本帖から色を選んで指定します。
ところが、色指定で多いのは「ここは赤で」というように基本の色名で指定いただくケース。
余談ですが、「可視光線」の量が一番多い色といわれる「赤」は一番認識しやすい色であるため、販促物などでとりわけ目立たせたい部分の色指定で、ご希望の多い色です。で、「ここは赤で」という指示をいただきますが、一発で希望通りの色をご提示できるかどうかはなかなか難しいものです。
多くの「赤」
「赤」という基本色名には、多くの固有色名が含まれていて、比較的「橙色」に近いものから、「紫」に近い色合いのものまで、また広くは「ピンク」や「茶」なども「赤」と称されることもあります。慣用色名だけでも「赤」のほかに「朱」「紅」「緋」「茜」「臙脂」「カーマイン」「バーミリオン」「スカーレット」「ルビーレッド」「ワインレッド」など、さまざまな呼び名の色があって、細かいニュアンスまでは伝わるものではありません。
金赤
そんな「赤」の慣用色名で、比較的伝わりやすい色に「金赤」があります。「金赤」といってもゴールドには関係のないこの色は、「あざやかな黄赤」と表現され、一般に、新しい血の色をさす「赤」よりも、わずかに黄色みがかった色。「朱色」や「黄赤」よりは赤みが強い色の色名とされています。印刷会社によって多少異なりますが、指定でマゼンタ(M)とイエロー(Y)を100%ずつかけあわせた色をいいます。
もともと、江戸切子というガラス工芸で赤の色を発色させるために金を使用したところから、「金赤」といわれるようになったそうです。