【グラデーションの語源】デザインに欠かせない「グラデ」はどう使われてきた?

クリエイティブ / デザイン

「大人っぽいスタイリングにしたいので、グラデーションカラーでお願いします」

という注文に、すべての美容師さんが対応できるかはわかりませんが、髪の根元から毛先に向けて、少しずつ明るく見えるようにするカラーリングが、オシャレ度をアップさせるとか。

グラフィックやファッションはもちろん、照明、インテリア、建築からヘア、ネイル、メイクアップなどまで「グラデーション」はデザインに欠かせない表現のひとつです。

今回は、その「グラデーション」の語源や、歴史の中でどう発展してきたのかを調べてみようと思います。

※この記事は2017年3月に公開されたものを再編集したものです。

グラデーションの語源

「グラデーション」は、印刷・美術・デザイン用語などで使われる「規則的に色濃度を変化させたもの」「階調」「連続階調」という意味で呼ばれるもので、色の濃淡、明暗、色彩などの規則的・段階的な変化を指す言葉です。

英語の「gradation」についての語訳を見ると、もともとは「順序立て」、「段階付け」という意味。語源は、歩み、過程、舞踊のステップなどを意味するラテン語の「グラドゥス(gradus)」で、それから派生した英語は多く、「grade(階級・品質・進行度)」、「gradient(傾斜・勾配)」なども同じ語源です。ちょっと似た言葉に卒業や卒業式を意味する「graduation (グラデュエーション)」があります。「u」が入るか入らないかの違いですが、こちらも語源は一緒です。

グラデーションは古くから使われていた

「グラデーション」は、古来からあった繧繝うんげんという彩色法に近く、中国の唐時代に発達し、奈良時代前期に日本に伝来。同系色の色を淡色から濃色へと並べ、色彩の濃淡の変化を表す彩色法は、工芸や建築、仏画などに用いられました。

また、日本画の表現技法の一つ隈取くまどり」は、「うん」ともいい、 色彩で濃淡や陰影をつける「隈取る」が名詞化したもの。先に塗った画面上に、水分を含んだ筆や刷毛でぼかしていくというこの技法も「グラデーション」といえます。
江戸時代に成立した絵画様式の浮世絵も「グラデーション」なしでは語れません。顔料に含まれる水分量の調整と、摺りの力加減で表現する「ぼかし摺」などは世界に誇れる技術といえます。浮世絵は19世紀末頃のヨーロッパ の 画家たちに大きな影響を与えました。

歴史も深く元々アナログ的な「グラデーション」表現が、コンピュータの出現によってCGで再現できるようになりました。限られた量のメモリしかなかった時代には、中間色を細かく表現できませんでしたが、最近は高性能化に伴い、すべての分野で表現技術が向上し、「グラデーション」が扱いやすいものとなりました。

グラデーション制作事例

当社は印刷会社なので、こういったグラデーションを使った印刷物のデザインも数多く手がけています。最近の制作事例としてはこちら。

鮮やかなピンクとブルーが混ざり合った、きれいなグラデーションのリーフレットです。印刷もオンデマンドプリンタで印刷をし、発色もデザインもきれいな印刷物に仕上がりました。
★詳しくはこちらの記事をご覧ください。【グラデーションとデュオトーン】トレンドデザインをグラフィックデザイナーが解説!

さらにこちらは、世にも珍しい方法で作ったグラデーションです。

この印刷物のグラデーションは、IllustratorやPhotoshopなどを使って作っているグラデーションではありません。印刷機で通常一色のインキを入れる場所に、複数のインキを入れてできあがった、インキとインキが混ざり合ってできた自然のグラデーションなのです。

当社の印刷課社員が思い付きでやってみてできあがった産物。次同じものが作れるのかはわかりませんが、仕事をする上でも遊び心は大切にしたいと思わせてくれる、そんなグラデーションができあがりました。
★このグラデーションを作る過程は、動画付きでこちらの記事で紹介しています。【実験シリーズ!】「1つのインキツボでグラデーション」を作ってみた!


デザインに欠かせない手法のひとつ「グラデーション」ですが、時代とともにグラデーションを作る方法は変化をしているようですね。
こういった歴史、変化の過程を知ると、ふだん目にしている印刷物もおもしろく感じるのではないでしょうか?

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