印刷物の「塗り足し」とは?なぜ必要?

クリエイティブ / デザイン

塗り足しとは

こんにちは。営業部のキノです。
印刷会社で働いていると、日々多種多様な印刷物のデータが入稿されてきます。

中には「不備があって、このままでは印刷に回せない」なんてデータがあることも…。
特に多いのが「塗り足しがないデータ」です。

印刷物のデータの制作に慣れていないと、この塗り足しを忘れて作ってしまう方も少なくありません。
それ以前に、「塗り足しってなぜ必要なの?」と思ってる方もいらっしゃるかも…?

そこで今回は、「印刷物の塗り足しって何?なぜ必要なのか」について、解説していこうと思います!

「塗り足し」とは?

印刷物は通常、「仕上がりサイズよりも大きい紙に印刷をして、断裁機で余分を切る」という手順で作っています。

↑このように、大きな紙に同じ絵柄をたくさん並べて印刷して、仕上がりサイズの大きさに断裁します。(この場合だと、この状態からハガキサイズに断裁します。)

このやり方だと、絵柄が紙の端まである印刷物の場合、切る位置が少しズレてしまうだけで紙の白い色が見えてしまう可能性がでてきます。

そのため、印刷物のデータは、紙の端まで絵柄をのせたい場合は「データを少し大きめに作って余分を切る」という作り方で作っています。

↑赤い線で引いた部分が仕上がり位置。断裁位置が少しズレても問題ないように、絵柄は3mm大きく作るのが基本です。

そして、この少し大きめに作る部分が「塗り足し」になります。(「ドブ」という言い方もします。)

絵柄を端まで入れたい場合は、基本的にこの「塗り足し」がないと、印刷の工程には進めません。

データを送る前に「塗り足し」が作られているかチェック!

背景が白のデザインであれば問題ないのですが、「端まで絵柄をのせたいのに塗り足しがない!(=仕上がりサイズピッタリの絵柄で作られている)」と、「塗り足しを作って再度入稿し直してください!」というやり取りが発生してしまうことに…。

特にOffice系のデータをPDFに書き出したものを印刷したい!という依頼の時は、こういった事態になりがちです。

この場合は、紙の端まで絵柄を入れない選択をする(=四辺に白いフチがつく)ことや、印刷会社側でデータに手を加えて塗り足しを作る、といった選択があります。
後者の場合は、金額やデータの受け渡し方法も変わってくるので(そもそもできない場合もあります)、事前に印刷会社に相談するといいでしょう。

「塗り足し」を作り忘れないようにするには、「一度紙に出力して、仕上がり線を引くこと」が一番の対策です。

先ほどの画像の赤い線のように、紙にペンで仕上がり線を引くことで、塗り足しが作られているか、文字や大事な絵柄が欠けてしまわないか、といったことを確認することが大切です。

もちろんデータ上でも確認できますが、「確実に」するなら、この方法が一番です。

印刷会社に入社すると、基本中の基本としてまず出力紙に仕上がり線を引くことを教えられます。
それだけ重要ということなんですね。

急いでいる時こそひと手間かけて確認をすることで、ミスを防ぎ、スムーズな印刷物の製造が可能になります。

メディアが変わると「塗り足し」の幅も変わる?!

そんな塗り足しですが、塗り足しの大きさは3mmで作るのが基本です。

ですが、印刷後の加工や、印刷するメディアによっては塗り足しの大きさが変わることもあるんです!

通常の紙の印刷物であれば3mmから変わることはほぼありませんが、看板などの何メートル、といった大きいメディアの場合は、塗り足しもその分大きく作る必要があることも。
不安になったときは、印刷を依頼する会社にまず確認してみてください。

この確認が、スムーズに印刷を進められるポイントであり、すべての仕事の基本でもありますね!

塗り足しのこと、少しは参考になっていたら嬉しいです!
印刷物のデータを作る際は、塗り足しがちゃんと作られているか、ぜひ意識してみてください。

当社は印刷物のデザイン・DTPから承っているので、「データ制作の知識がないけれど、印刷物を作りたい」といった方でも大丈夫です。
デザインから承りますので、印刷物のことでお困りごとがありましたら、ぜひこちらのお問合せフォームよりご相談ください。

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