
こんにちは!駆け出しデザイナーのノザキです。
先日、デザイナーの大先輩から「フォントの性格を考えてあげると選びやすいよ」と教えていただいてからなんだか文字がかわいく見えてきました。
今回はデザインの印象を大きく左右する「フォント」、なかでもデザイナーの腕の見せどころとなる「合成フォント」についてお話ししたいと思います。
合成フォントとは
皆さんは「合成フォント」ってご存知ですか?
複数の和文/かな/欧文フォントを組み合わせて使う文字組みの手法のことです。相性の合うもの同士を混植することで、場合によっては一種類のフォントを使うよりも、可読性がより高い+個性的で印象に残る文章にすることができます。ただし、星の数ほど存在するフォントの中からよい組み合わせを選ぶ(&組む)のは、それは難しいことなのです!
デザイナー推しの組み合わせ!合成フォント3選
野毛印刷でクリエイティブを担うデザイナーの方々から、お気に入りの合成フォントをコメント付きで教えていただきました。さっそく真似ちゃいましょう…!
1.デザイナーKさん
【ナウM+築地・小町・弘道軒】
「少しクセのあるコピー・リードに使える組み合わせ。縦組みだと風合いがあり美しい。」
いきなり応用編(?)です!こちらは、漢字とかな文字のフォントが異なっています。築地、小町、弘道軒どれも涼やかで日本語の美しさが引き立ちますね…!
その他:
・こぶりなゴシック+DIN
美術系のDMなどでたまに使っている。形がうるさすぎず、すっきりしているので読みやすい。
・中ゴシック+univers
王道ゴシック組み。本文はこれがベスト。
・リュウミン+Garamond
王道明朝組み。本文はこれがベスト。
2.デザイナーAさん
【秀英丸ゴ+Quicksand】
「Quicksandは欧文フリー書体です。クセが強くて本文には向かないですが若い女性のイメージが出るので女子大の仕事で使いました。」
非常によく馴染む自然な組み合わせですね!かわいい&知的な雰囲気が漂っています。最近は美術展のチラシでも見かける気がします。
その他:
・こぶりなゴシック+Univers
こぶりなの「1」がただの棒で読みづらいので、DINほどオシャレ感出したくない時に重宝しています。
・新ゴ+タイプラボ
タイプラボはかな書体なので合成フォントがマストですが、新ゴだけよりもちょっとおもちゃっぽい可愛げが出るので、イラストを多用したデザインで使うことがあります。
3.デザイナーKさん
【A1明朝+Garamond】
「オーソドックスで使いやすいです。」
墨だまりのようなエレメントが魅力的なA1明朝ですが、Garamondと合わせることですっきり見えますね。
4.デザイナーYさん
【見出しゴ、太ゴ、中ゴ+DIN】
「使いやすいです。」
シンプルなゴシック+DINは、あらゆる場面で重宝される組み合わせですね!DINの都会的なフォルムがおしゃれさをプラスしてくれます。
5.デザイナーNさん
【ITC Avant Garde Gothic+ヒラギノ角ゴ】
「Avant Gardeの少し丸っこくてポップな感じが個人的に好きで使います。」
文字がすっと目に入ってくるきれいな組み合わせです。ポップだけど会社パンフや教材などに使えそうな堅実な印象を受けました!
その他:
・A1明朝+Times
A1とTimesは、明朝系の綺麗なデザインのときに使っています。
6.デザイナーTさん
【こぶりなゴシック+DIN】
「スッキリとしていて見やすいです。」
またもDINの登場です!ウェイトの幅が大きいものの、垢抜けていてやさしい文章になります。
おわりに
野毛デザイナーのみなさんにご協力頂き、たくさんのバリエーションを知ることができました!なかには、「クライアントが制作・指定したクライアント専用のフォントを使っています」という特殊なケースも。
私は、最初にも出ましたが「中ゴシック+Universe」はフラットでいいなあと思っています。
とはいえ「合成フォント」自体ごく最近知ったもので、いち押しできるほど実践できていません。いろいろ選んでたくさん使うのみ!
なかなかボリュームのある内容となりましたがいかがでしたでしょうか??奥が深すぎるフォントの世界、「組み合わせ」にも要注目です!
次回は、今アツいお気に入りのフォントについて特集します。是非、こちらもあわせてご覧ください!