印刷物の環境配慮を考える上で、材料や製法はもちろん大切ですが、忘れてはならないのが使用後のリサイクルです。
当社の製品の大半は、保管が前提となる「書籍」ではなく、企業様の販促ツールなどの「商業印刷」。
使用目的が終われば、たいていは捨てられる運命にあります。
捨てる=ゴミになる?それともリサイクルする?
もちろん、できるだけリサイクルしたいですよね。
このため、「紙としてリサイクルしやすい」条件で製造することがとても重要なのです。
「紙としてリサイクルしやすい」とは
では、紙としてリサイクルしやすい条件、しにくい条件とは、どんなものでしょうか?
印刷資材(用紙、インキ、加工資材)には、「リサイクル適性ランク」というものが定められています。
ランクはABCDの4段階で、一番良いのがA、一番悪いのがDです。
Aランクの資材だけで作られた印刷物は「紙」にリサイクルできます。
AランクとBランクの資材で作られた印刷物は「紙」にはなりませんが、ダンボールなどの「板紙」にリサイクルできます。
CランクやDランクの資材が混ざってしまうと、紙にも板紙にもできません。
紙のリサイクル適正ランク
紙で言えば、白い紙は、たいていAランクです。
でも色のついた紙は、色によってランクが異なるので注意が必要です。
淡い色はAランクが多いですが、黄色はBランク、赤や黒はCランクです。
紙の色は細かく分類されますが、各製紙会社がWebサイト上にランクの一覧表を公開しているので、どなたでも容易に確認できます。
インキのリサイクル適正ランク
インキも、通常使っているインキはAランクが多いのですが、蛍光インキはBランク、香りがする芳香インキはDランクなど、注意が必要です。
加工資材のリサイクル適正ランク
加工資材は、さらに注意が必要です。よく誤解されるのが「糊は良くて針金は悪い」という説なのですが、これはどちらかというと逆で、中綴じなどの針金は問題なくAランク、無線綴じなどの糊は、糊の成分によってAランクまたはBランクです。
また、PP貼りや箔押しなどの表面加工がされるとBランクになります。石、ガラス、布などの異物が含まれるとCランク、インキと同じく香りがする加工はDランクです。
なお、リサイクル適性AランクまたはBランクの印刷物には、環境ラベルとしてロゴマークを付けて印刷することができます。
詳しくはこちらよりお問い合わせください。