インバウンド重視で変わる日本のピクトグラム事情

コラム

開発のための持続可能な観光の国際年

2017年は、国際連合が定めた「開発のための持続可能な観光の国際年」です。「持続可能な観光」とは、英語で「サステイナブル・ツーリズム」 。 大衆化された観光行動 「マスツーリズム」において生じがちな、環境汚染や文化破壊、過度な商業化を避け、観光地住民と観光客が相互に潤う本来の姿を求めていこうとする考えとその実践です。日本でも全国各地で持続可能な観光社会づくりの取組みが進んでいます。一方で、2020年東京オリンピック ・ パラリンピックを3年後に控え、 インバウンド(訪日外国人旅行者)の市場は拡大し、期待がさらに高まっています。

ピクトグラムのはじまり

そんな中、外国人旅行者などが日本国内を移動する際に困らないように、言葉に頼らず見るだけで理解できる案内用の記号「ピクトグラム(Pictogram)」の見直しが進められています。日本におけるピクトグラムは、1964(昭和39)年の東京オリンピック開催時に開発されたのが始まり。1980年代以降に広く使われるようになり、その後、サッカー日韓ワールドカップ開催に合わせて、公共 ・ 観光 ・ 交通 ・ 文化 ・ スポーツ施設などを表す身近なピクトグラムが開発され、約140種の日本工業規格(JIS)で規定されました。

インバウンドを重視した見直し

しかし、国際標準化機構(ISO)が規定するピクトグラムとは、デザインが異なるものが約半数もあり、外国人にはわかりにくいものや誤解するおそれがあると考えられるものもあります。そこで、国土交通省の特別機関である国土地理院では、2016年3月に外国人に分かりやすい地図記号を新たに作ることを決めました。また、経済産業省は、2016年の7月、国際規格に揃える方向で日本工業規格のピクトグラムの見直しを進めると発表しました。

温泉マーク

例えば、おなじみの湯船と湯気を表した 「温泉マーク」 。 街で外国人旅行者に見せると料理を提供する飲食店に見えるようで、変更ピクトには、人が温泉に入浴していることを表現するため、3人の人が追加されています。

観光案内所マーク

観光案内所などを表す「?」マークは、外国ではインフォメーションのアルファベットの頭文字「i」が主流ということで、変更が検討されています。

触るなマーク

手のひらに赤い斜線が入った「触るな」を意味するピクトは、外国人には「近寄るな」という意味に誤解されるということで、手を横から見たデザインへの変更が発表されています。

これらのピクトグラムが発表されると、さまざまな議論が沸き起こり、特に「温泉マーク」については、圧倒的に反対意見が多く、現行のピクトを存続させるような動きも出ているようです。 日本らしく 「おもいやり」の心でインバウンド重視もよいのですが、すべての人にわかりやすいピクトグラムの提供となるとさまざまな問題も出てくるようです

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