「日本ワイン」の表示ルールが厳格化!!

コラム

ワインボトルについているラベルが「エチケット」と呼ばれていること、ご存じでしたか?

古いフランス語「Estiquer(貼り付ける)」を語源とする「エチケット(Etiquette)」は、貼り付ける札、荷札という意味があり、ワインの中身が何であるか表示するラベルがそう呼ばれたもの。私たちは「エチケット」というと礼儀作法という意味しか想像できませんが、宮廷に招待された人が宮廷内でどのように行動したらよいかという、指示が記載された札を指す言葉でもあったため、礼儀作法としての意味でも使われるようになったそうです。

さて、そんな「エチケット=ワインラベル」の表示に関する表記基準が厳格化されたというニュースが流れましたので、調べてみました。

日本で初めての公的なワイン表示ルール

ぶどうの収穫地や品種、製造方法などによって味わいが異なるワインですが、海外のワイン生産国では、ラベルの記載内容などを厳格に規定する公的なルールが設けられています。しかし、日本のワインには、これまでそうしたルールがありませんでした。

そこで、消費者にとってわかりやすくすることなどを目的に、2015年10月に基準を明確化する法案が制定され、今年10月30日から、日本で初めての公的なワインの表示に関するルール「果実酒等の製法品質表示基準」がスタートしました。

ワインのラベル表示のルールがつくられた理由は?

ワイン選びで参考になるのが、ラベルに表示されているさまざまな情報です。原料となるぶどうの産地や品種、収穫された年などがラベルには記載されており、消費者にとって重要な情報です。ワインは、フランスやイタリアを始めとしたヨーロッパや米国、南米などが産地として有名ですが、日本産のワインを楽しむ人も増えてきました。しかし、これまで公的な基準がなかった日本では、消費者の誤解を生みやすい状況でした。「国産ワイン」と呼ばれていても国産ぶどうのみを原料とした「日本ワイン」のほか、海外から濃縮果汁や原料ワインなどを輸入し国内で製造したワインも混在し、「日本ワイン」とそれ以外のワインの違いがわかりにくくなっていました。また、海外でも評価される日本のワインが増えたこともあり国際的に通用する基準も求められてきました。

新しいルールで何が変わるの?

「日本ワイン」とそれ以外のワインが明確に区別できます。国内で製造された果実酒・甘味果実酒を「国内製造ワイン」、その中で、国産のぶどうのみを原料とし、日本国内で製造されたものを「日本ワイン」と定義。ラベルに「日本ワイン」という表示ができるようにしました。そして、「日本ワイン」については、一定のルールの下、地名やぶどうの品種名、収穫年を表示できることとしました。一方国内製造でも輸入ワインや濃縮果汁などの海外原料を使用したワインは、ラベルに「輸入ワイン使用」「濃縮果汁使用」などの表示をすることが義務付けられました。

「日本ワイン」にだけ認められる表示は?

新たな表示ルールでは、条件を満たせば、ワインの産地名、ぶどうの収穫地名、醸造地名、ぶどうの品種名、ぶどうの収穫年を表示することができます。逆に日本ワイン以外の国内製造ワインは、表のラベルに地名やぶどうの品種名などを表示できなくなります。十分な量の国産ぶどうを確保できない場合に、商品名を変更したり、商品そのものの販売中止に追い込まれたりすることもあるのかもしれません。

新ルールは、ワイナリーにとっては厳しいルールといえそうですが、私たち消費者にとってはわかりやすく、いいルールだと思います。原料としての国産ぶどうのニーズが高まるため、ぶどうを栽培する農家にとっては収入増のチャンスとなる可能性があると思います。欧米に比べてワインづくりの歴史が浅い日本ですが、高品質なおいしい日本ワインが味わえる期待感もより高まりそうです。

TAG:ワイン 時事 

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