最近は少なくなってしまった、個人間での暑中見舞いのやり取り。
ですが、ビジネスにおいてはお客さまや協力会社さまへ日頃の感謝の気持ちを伝える、大切な機会です。
今回は、2024年の当社の暑中見舞いをご紹介します。
とてもおしゃれな暑中見舞いができあがったので、ぜひ最後までご覧ください。
おしゃれな暑中見舞いができるまで
これまでさまざまな仕掛けのある暑中見舞いを作ってきた当社ですが、今年はどんなものにしようか、悩みに悩みました。(★これまで制作した暑中見舞いはこちら)
私たちが暑中見舞いを送る意図は、日頃の感謝の気持ちをお取引先さまに伝えること。
であれば、まず手に取ってもらえなければ意味がありません。
そこで、「多数の郵便物の中にあっても目を引くものであること」、今年は特に暑さが厳しいことから、「受け取った人が涼しさを感じるような暑中見舞い」というコンセプトが決まりました。
この2つの要素を成り立たせるものとして当社が選んだ方法は「キラキラと光り輝く用紙を使おう!」というもの。
単純なように思えますが、なかなか通常の印刷物では扱えない特殊紙がメインということで、社内もワクワクしながら取り組みはじめました。
用紙は、パール調やメタリック調の特殊紙をラインナップに揃える「SPECIALITIES」シリーズから選択。豪華な用紙ばかりで、見本帳を見るだけで楽しくなってきます。
この紙に合うデザインを当社のデザイナーが考案。
腕利きのデザイナー3人が出してくれた案がこちらです!
【A案】
〈デザイナーコメント〉
ホログラム紙で海を表現し、白印刷で波紋、フルカラー印刷で波紋の影を表現しています。
涼しげな夏の風景を、紙と複数の印刷で立体感のあるポストカードにしました。
【B案】
〈デザイナーコメント〉
黒い紙に加工されたラメを星空に見立て、夏の夜空と花火をデザインしました。
グラデーションの部分は白を引かず、ラメが透けて見えるイメージです。
【C案】
〈デザイナーコメント〉
この数年、夏がとにかく暑すぎるため「猛暑」というタイポグラフィを配置しました。
「暑すぎる夏を、どうにかお互い乗り切りましょう」という気持ちをネガティブになりすぎずに伝えるデザインを考えました。
どれもデザイナーの個性が光る、すてきなものばかりです。
さて、いったいどのデザインになったのでしょうか。
2024年 野毛印刷の暑中見舞いが完成!
完成した当社の暑中見舞いがこちらです!
デザインはA案に、用紙は「SPECIALITIES NO.770-FS」が採用になりました。
一見シンプルな紙に見えるかもしれませんが、角度を変えると、ピンクや紫、水色など、さまざまな色に変化します。オーロラのように次々と変化する様子がなんとも素敵です。
通常、印刷はCMYKの4色で行いますが、今回は特色の「白」を追加した5色印刷で行いました。印刷機はこのような特殊紙にもしっかりとインキが定着する、UV印刷機を使用。
波の白い部分や動物など、紙の色の影響を受けたくない箇所には先に白を印刷してその上にCMYKの4色を重ねます。一方で、影の部分は透明感を活かしたいめ、白を重ねていません。
一枚のハガキの中で、立体感のある表現ができました。
色校正ではCMYKの数値を細かく変えたもので7パターン用意し、理想に近い印刷にこだわりました。
▼少しずつ色味が異なっています。
裏面は上質系の白い紙になっているため、手書きのメッセージを書くことができます。
実は、当初は別の用紙を使うことを想定していました。
最初にデザイナーが想定していたのは、「SPECIALITIES NO.717-N-315」というギラギラと光を反射するホログラム用紙。非常に夏らしい紙だったのですが、より涼しさを感じられるものを、という観点で今回のオーロラの用紙に決定しました。
▼もう1パターンの用紙での色校正。こちらの用紙も素敵ですよね。
光沢や鏡面効果のある用紙を使う際は、印刷機を通した時の傷が普通の用紙より目立ってしまうことに注意しなければなりません。機械を通る以上、傷が付いてしまうのは避けられませんが、工夫することで傷を減らす・目立たなくすることもできます。
今回は、宛名を紙に直接印字するのではなく、ラベル貼りにすることで、紙が機械を通る回数を減らし、傷を最小限に抑えるようにしました。他にも、面付けの仕方を工夫することで傷を避けられる方法もあります。
このような特殊紙の場合は事前に色校正を行い、仕上がりイメージを事前に把握しておくと安心です。
完成した暑中見舞いは、社内外問わず評判が良く、デジタル化が進む昨今ですが暑中見舞いを作って良かったと思いました。
今回ご紹介したような「印象に残る印刷物を作りたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ当社までご連絡ください。
営業、デザイナー、印刷オペレーター等が一丸となって、お客さまが作りたい・表現したいものを形にします。
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