土用の丑の日は、先人の上手な販促手法だった?土用の丑から学ぶ販促

コラム

土用の丑から学べる販促とは…

先日、テレビCMでよく知られるお弁当屋さんで、期間限定で発売されたばかりのうな重をオーダーしたら時間がかかりますといわれて、注文を諦めました。
うなぎ屋さんで時間がかかるのはわかりますが、お弁当屋さんのうな重も調理時間がかかる? と納得がいきませんでしたが、しぶしぶ別のお弁当に。

庶民としては値の張るうなぎを頻繁に食べようとは思いませんが、毎年この時期になるとうなぎを食べたい気分になるのは、「土用の丑の日」が近いからかもしれません。
今年の土用の丑の日はいつなのか、調べてみたら7月20日(金)と8月1日(水)のようです。
土用というのは「五行」で定められた暦の雑節です。五行とは、万物は5つの元素からなるという自然哲学で木行・火行・土行・金行・水行のこと。
丑は十二支の丑で、12日周期で丑の日が回ってきます。

たとえばこの時期は立秋(今年は8月7日)の前、約18日間が土用ですから、その間に丑の日が2日あるということになります。
もちろん、春、秋、冬にも土用が存在するわけで、正確には「夏の土用の丑の日」ということになります。

「土用の丑の日」販促説

では、なぜ「土用丑の日」にうなぎを食べる習慣ができたのか? その由来については諸説ありますが、一番有名なのが平賀源内の発案説。
平賀源内はエレキテルで知られていますが、江戸の大天才とか日本のダ・ヴィンチともいわれています。その多芸多才ぶりは、医師、蘭学者、博物学者、地質学者、電気工学者、化学者、起業家、日本最初の西洋画家、俳人、作家…など、日本史を代表するマルチクリエイターといえばこの人ということになります。
そんな中で、イベントを仕掛けたり、磨き粉のCMソングをつくったり、「餅は餅屋」広告文案を書いたもといわれ、日本の初のコピーライターと称されています。

その平賀源内が、夏場の売り上げ不振に悩んでいたうなぎ屋に請われて考案したのが、「土用の丑の日にうなぎを食べる」という風習。
「本日土用の丑の日」という貼り紙を店頭に貼るとうなぎ屋は大繁盛。

元々あった「丑の日にちなんで、“う”から始まる食べ物を食べると夏負けしない」 という風習に乗っかって、売れないうなぎの販売促進のために、 旬ではない夏という時期にうなぎを食べる風習を根付かせたという話が現代に伝わっています。

その習慣がずっと今日まで続き、土用の丑の日はうなぎ屋さんには行列ができ、スーパー、コンビニにまでうなぎの蒲焼やうな重などが大量に陳列される光景が当たり前になりました。しかし「バレンタインにチョコレートを贈ろう」というのとはちょっと違うので、特に土用の丑の日にうなぎを食べなくてはいけないというしばりはもちろんありません。

私の場合は、土用の丑の日は避けて、別の日に今年もおいしいうなぎを食したいと思います。

TAG:歴史 

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