登場人物
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シミズ マサキ富士山型地震マニュアル開発者
野毛印刷の制作課制作グループの係長。
MUD Director、DTPエキスパート等のDTPに関する資格を持ち、
富士山型地震マニュアルでも、MUD等の視点から、企画・開発を行った。 -
タナカ トシキヒラメキ工房 編集長
野毛印刷の営業社員であり、本サイト『ヒラメキ工房』の編集長。
富士山型地震マニュアルについて、今一度勉強し直そうと思い、
この度インタビュアーに立候補。
『富士山型地震マニュアルができるまで!~前編~』では、どういった経緯でこの商品を作ったのかを、知ることができました。後編では、制作陣が苦労した所や、商品に込めた想いなど、より詳しい部分まで掘り下げていきます!
限られたスペースの中で、伝えたいことをいかに絞って載せるか。
作る際に苦労したところは何ですか?
限られたスペースの中で、伝えたいことをいかに絞って載せるか、というところが一番苦労しました。一覧で見れるようにジャバラ折りの仕様にしたのですが、ジャバラ折りが開き気味になることを避けるために、最初シールで留めることを考えました。
しかし、使いにくいと判断し、糊付けのスリーブを考えました。クラフト紙のような特殊な紙を使ってスリーブをつけることで、よりお洒落な感じになったのではないかと思います。ちなみに、このスリーブについては障がいのある方たちが就労する、授産施設に製作をお願いしています。
クラフト紙でスリーブを作成したことで、よりお洒落に。
デザイン面で大変だったことはありますか?
指さし会話ができるようにイラストを載せているのですが、たとえば「痛い」や「苦しい」などをさした際に、その状態が「少し」なのか「すごく」なのか、度合いが伝わるようにと、グレード図を設けるなどが苦心した点です。
なるほど。翻訳についてはどうですか?
一番初めに、英語バージョンを作りました。翻訳はお付き合いのある会社にお願いをし、その後、中国語、韓国語、タイ語を制作し、4種類のマニュアルを作りました。言葉がわからないことでの苦労は多少はありました。
時代のニーズを読み取り、企画・提案を行っていきたい。
それでは、この商品の活用ついての思いを聞かせてください。
コンペの審査委員長には、「思わず手に取りたくなるような富士山型で、携帯可能な仕様」であることを評価いただき、「外国人観光客が非常時に確実に活用できるよう配慮されている」というお言葉をいただきました。すでに意匠登録も済ませています。
あとは活用なんですけど、もちろん、外国人観光客に何らかの形で配布できるといいな、と思っています。東京オリンピック・パラリンピックも控えていますし。内容的には子どもでも分かるようにしてあるので、インターナショナルスクールのような学校などで活用してもらえるといいですね。
そうですね。私も含めて営業がこの商品を広めていかなければならないのですが…。
ある方がTwitterで、この商品についてあちこちで紹介していただいていることをツイートしてくださって、感激したんですが、その方の言葉を借りますと「きっと必要な方や施設がいっぱいあるので、もっとSNSを活用してください」ということでした。私もSNSやさまざまな営業活動で、より多くのお客さまにアプローチしてほしいと思います。
営業的には、この仕様で観光案内的なものを作らせていただきました。百貨店や旅行代理店でもいい反応をいただいています。
たとえば、百貨店などでは、その施設の防災対応に沿った形で内容を作り変えるということもあると思います。販促を目的として作られる場合は、広告の掲載も考えています。
富士山の形はそのまま活かし、内容を観光客向けにしたものもある。
ARやQRコードなどを使って、スマホでPR動画が見られるようにもできますよね。
あとは、災害時に外国人旅行者をいかに支えるかという基本に返って、形にこだわらず、このコンテンツをそのまま使った、ポケット判マニュアルや冊子仕様などについても、引き続き営業を進めていただきたいと思います。
もともと印刷会社は受注型産業ですが、当社は創注型の営業を基本としています。この商品のように、時代のニーズを読み取り、提案させていただく方向で、これからも企画・開発を行っていきたいと思います。
なるほど…確かにそうです。時代のニーズに合った商品を作り出し、お客様が抱えている不や課題を解決できるように、我々も営業活動を行っていきます!
本日はありがとうございました!
2回にわたって、『富士山型地震マニュアル』の完成までの経緯や、商品への思いを聞き出しましたが、いかがでしたか?少しでも、この商品について興味を持って頂けたなら幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!