イラストレーションとは
「イラストレーションとは?」という質問に対して、多くの人が「絵」と答えるでしょう。
しかし、画家が描く「絵」は「イラストレーション」ではない、ということも、なんとなく理解できる人が多いと思います。
純粋な「絵画」とは異なり、イラストレーションは「コマーシャルアート」や、最近はあまり使われていませんが「商業美術」という表現が適しているかもしれません。
絵本や小説、図鑑、雑誌などの表紙や本文の挿絵、印刷物や広告のための絵など、イラストレーションは、基本的に出版物・広報物の構成要素として、デザインに応じて注文を受けて描く絵を指します。メディアに複製されて機能するのが、イラストレーション、ということです。
イラストレーションの語源
そもそも、「イラストレーション(Illustration)」とは、図像によって文字情報を補助する描写や装飾のことを指します。言葉の語源は、イルミネーションと同様に「照らす」「明るくする」を意味するラテン語「Lustrare」で、そこから転じて、「わかりやすい」「明快だ」という意味を持つようになりました。
イラストレーションの起源は、印刷機が発明される前の手描きの絵の頃にまで遡ります。
15世紀にグーテンベルクが印刷機を発明すると、書物に挿絵が施されるようになり、19世紀後半には黄金期を迎えたといわれています。
日本では、奈良時代に始まる絵巻物や江戸時代の浮世絵など、絵師が描く独自の図説文化があり、明治時代以降は画家が挿絵を手がけるようになりました。
イラストレーションや、略語である和製英語的な表現のイラストが使われるようになったのは、1950年代後半。それ以前は、図像、図案、挿絵などと呼ばれ、描き手を表すイラストレーターについては、画家、絵師、画師と表現されていました。
1951(昭和26)年には日本宣伝美術会(日宣美)が発足し、公募展がグラフィックデザイナーの登竜門となりました。出品作のほとんどがイラストレーションを用いた作品であり、この時期のデザイナーはイラストレーターでもありました。
1960年代以降、写真使用の一般化に伴い、デザイナーとイラストレーターの分業化がはじまり、イラストレーションはグラフィックデザインの一要素となりました。
イラストレーションの多様化
イラストレーションといえば広告や挿絵が中心だった時代から、現代では多様化が著しく、絵本、マンガ、アニメ、キャラクターデザイン、ライトノベル、ゲーム、ストリートカルチャー、フィギュア・トイ、現代アートなど、利用される場面は広がり続けています。音楽やファッションと同じように、ポップカルチャーの一部として私たちの生活に溶け込んでいる側面もあります。
最近では「イラストレーションアーティスト」という呼び方も存在し、ファッションやグッズのプロデュースなど、活躍の場を広げるイラストレーターも増えています。
野毛印刷のイラストレーション制作事例
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