取扱説明書は「トリセツ」で 通じるようになった?!

コラム

「トリセツ」ご存知ですか?

女性アーティスト、西野カナが2015(平成27)年9月にリリースした「トリセツ」という曲は、映画「ヒロイン失格」の主題歌として作られ、若い層を中心に広く受け入れられました。昨年のカラオケDAM「年間リクエストランキング2016」で、「海の声」浦島太郎(桐谷健太)、「糸」中島みゆき、「ひまわりの約束」秦基博に次いで4位に入る人気の楽曲です。男性になかなか理解してもらえない女性の内面、乙女心を「トリセツ(取扱説明書)」になぞって描いたラヴソングで、さだまさしの「関白宣言」の女性版といった印象です。

「トリセツ」と言われるようになったきっかけは

リリース時は、「トリセツ」という曲名に違和感を感じた人も多かったようですが、「トリセツ」は取扱説明書の略語。
もともとは製品の取扱説明書を作る製造会社や、それを受ける印刷会社、販売にあたる販売店などが言葉を短縮して、隠語的な使い方として表現していました。一般的にはそれほど使われることもなく、この曲で初めて「トリセツ」という言葉に出会った人も多いはず。そんな「トリセツ」が社会現象となるほどヒットし、一気に「トリセツ」という言葉が認知されました。もっとも、日本人の4文字略語化は毎度のこと。「キムタク」「ドリカム」「カラオケ」「カーナビ」「デパチカ」などと同じように、4文字に短縮するとリズムが出て受け入れやすくなり、あっというまに定番になるというパターンのようです。

取扱説明書は大事なツール

もちろん取扱説明書は、製品の機能や使い方、注意点についてユーザーに正しく認識してもらうための大事なツールです。近年はあらゆる業界において、製品の多機能化、複雑化が進み、より分厚いものになるケースが増える一方、分厚い取扱説明書に拒否反応を起こす人も多いのが現実。また、企業は、万一誤った使い方を伝え、消費者が損害を被った場合のリスクを減らすためにも、きめ細かいところまできちんと説明しなければならないという重責を担っています。
制作側としては、取扱説明書のMUD(メディアユニバーサルデザイン)化が大きなテーマになっています。「見やすさ」「わかりやすさ」「使いやすさ」を追求したデザイン、伝えたい情報を的確に表現した説明文、誰が見ても理解できるイラストレーションや図表などが制作にあたって求められます。
また、グローバルに展開している製品は多言語展開が必須ですし、印刷物だけではなく、電子データとして提供されることが一般的になってきました。
CD-ROM、DVDからインターネットのダウンロード、さらにはスマートフォン、タブレット端末への提供も普及し始めて、すでに「電子トリセツ」の時代が到来しています。

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