【絵画をデータ化するための撮影手順】図録やチラシを作る上での大切な工程

クリエイティブ / 写真

絵画の撮影

こんにちは。カメラマンのアカツキです。

当社は印刷会社ですが、美術館や博物館など、芸術関連のお客さまと長くお付き合いをさせていただいております。

そのお付き合いの中で、図録やチラシといった印刷物のご依頼をいただくことが多いのですが、中には作品のスキャンや撮影からご依頼いただくこともあります。

そんな時は、当社でスキャンや撮影を行い、色調補正をして印刷します。

今回は、印刷物に載せるために必要な絵画の撮影手順について、解説しようと思います。

絵画の画像取り込みについて

以前、ヒラメキ工房で紹介したこちらの作品は、原画の撮影から当社が携わらせていただきました。
今回はこの時の撮影を元に、話を進めようと思います。

▼『浜辺のアインシュタイン』チラシ・ポスターなどの印刷物を手がけました

『浜辺のアインシュタイン』チラシ・ポスターなどの印刷物を手がけました

絵画のような作品を印刷物やWEBサイトに掲載するためには、データ化する必要があります。
そのデータ化は、スキャナーもしくはデジタルカメラを用いて行います。

いわゆる「複写」するわけですが、この「複写」とされるジャンルのデータ品質は、スキャナー・デジタルカメラともにそのマシンの性能にかなり依存します。

業務用のドラムスキャナーと事務用のスキャナーでは、スキャンできる作品の大きさや解像度に大きな差があり、デジタルカメラも10年前のカメラと最新のカメラでは一千万画素以上の差があります。
また、レンズ性能はダイレクトに品質へ影響します。

最も高精細なデータは、業務用ドラムスキャナーを使用したものですが、その名の通り円筒形のドラムに作品を巻きつけて高速回転してスキャニングするため、作品は薄く平滑なものでなければなりません。
美術館などで展示されている絵画は額装しているケースが多いため、ほぼ撮影一択です。

今回の作品は、表面は平滑ですが5mmほどの厚みがあり、硬く曲がりにくかったためデジタルカメラでの撮影となりました。

絵画を撮影する時のテクニック

今回は、デジタルカメラで作品(絵画)を撮影する時のテクニックをご紹介します。

①作品は反射による諧調の飛びを防ぐため、黒い背景紙の前にセットします。光をほとんど反射しない植毛紙の方が良いです。

②カメラは作品の中心と同じ高さにし、作品と平行にセット。これを限りなく正確にすることが肝心です。

③続いて照明のセットですが、おそらく写真学校で最初にやるストロボライティングが「複写」です。(もしかしたら基本すぎてやらないかも)
ストロボにアンブレラをセットして、作品の左右から均等に当てることが基本です。
反射防止のため、作品との角度は30度くらい、作品の遠い方の辺にそれぞれのアンブレラの中心を向けます。

④露出計で作品の四隅と中心を計り、均等に光が当たっていることを確認します。

 

どんな撮影でも共通していることですが、できるだけ諧調豊富に撮影することが肝心です。

また、撮影用のカラーチャートを一緒に入れたカットも撮影した方が、後の色調整の際に役立ちます。

絵画を撮影した後のテクニック

印刷物の場合、イラストを含めた絵画の複写は、撮影後の色調整テクニックが非常に重要です。
画材の色は、印刷インキCMYKの色域外になってしまうものが非常に多いためです。

今回私は担当しませんでしたが、異なる色で原画を忠実に再現させることは迷うことも多く、非常に大変です。

当社の制作部門には、長年美術関係のお仕事で色調整を担当してきた者もいます。
実際の絵画と比較しながらパソコン上で色の調整をし、さらに色校正で理想の色になっているか確認する、この工程が何よりも大切になってきます。

撮影スタジオについて

当社にはもともと、C.スクエア横浜という動画・写真スタジオがあります。
ただ、一つ弱点として天井の高さがないことが挙げられ、今回のような大きな作品や商品の撮影には使えませんでした。

そこで、現在使われてないフロアの一部を改装して、スタジオにしてしまいました!

撮影スタジオ

ここでなら1m以上の大きな作品も撮影可能です。
指紋認証の金庫もあるので、ジュエリーのような貴重品の撮影にも対応できます

お客さまのより多くのご要望に応えられるよう、スタジオも技術も、今後もバージョンアップしていきます。

 


今回は絵画の撮影方法についての解説でしたが、いかがでしたでしょうか。

当社では、絵画のような作品の撮影・スキャンから、印刷まで一貫してお請けします。
印刷物でお困りごと・ご相談ごとがありましたら、お気軽にご連絡ください。

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