ロシアW杯はフランスが決勝でクロアチアを破って優勝しましたね。
で、サイト管理者から即急の依頼「印刷とフランス」というお題がまわってきました。
印刷とフランス
グーテンベルグの印刷技術はルネサンスの3大発明の1つ。1445年、ドイツのマインツにおいて、「グーテンベルク聖書」といわれる聖書の印刷から始まって、その後イタリア、スイスなどに広がり、フランスのパリで1470年に印刷が始まったといわれています。
当然フランスを中心としたルネサンス文学に印刷技術が大きな役割を果たしたものと考えられますが、「印刷とフランス」というテーマでは、それくらいしか、思いつきません。
フランスで生まれた?製本
そこで明らかにフランスで生まれたと思われる製本の様式について紹介しようと思います。
「フランス装 ( French binding)」という製本様式があります。20世紀の中頃まではフランスの一般的な製本方法だったそうで、その特徴は後で購入者が装幀をしなおすことを想定した仮の製本ということ。フランスで昔は個人の趣味に合わせて皮装幀をするのがステイタスだったようで、装幀をし直しやすいように、途中まで作った中身に簡単な表紙カバーのようなものでくるんだ状態で製本を終了させた袋とじのようなものだったようです。
現在もそうですが、本の中身は、8ページや16ページごとに1枚の紙に印刷してあり、それをたたんで端を切りますが、フランス装の場合は、この時のカットも省いていました。
表紙は上製本ではなく、4面を折って、角を三角に折り込んだあと、天地・左右を交互に折り返して表紙を仕立てるもので「フランス表紙」と呼ばれていました。
現在のフランス表紙
現在は、表紙が長くカバーのように内側に折り、表紙とカバーが一緒になったような装丁を「フランス表紙」と呼んでいます。広げたときに通常の表紙よりも大きくなり、インパクトのある仕上がりとなります。日本ではこの製本方法を「がんだれ(雁垂れ)」と呼ぶそうですが、フランス表紙のほうが通じやすいと思われます。
ちょっと硬い印象になるので上製本にはしたくないけど表紙を豪華にしたい、というときにおすすめの表紙がフランス表紙です。