映画マニアからの問題にクリエイターたちは正解できる?【第1回映像美ディスカッション(前編)】

インタビュー / 野毛印刷の人々

こんにちは。ヒラメキ工房副編集長のソネです!

7月某日、当社撮影スタジオ「C.スクエア横浜」にて、「第1回映像美ディスカッション」を開催しました!

「映像美ディスカッション」とは何ぞや…?と思われた方、ぜひ本記事を読んでいただきたいです!
映画好きの方はもちろん、映像に関わっているクリエイターの方々にとっても興味深い内容になっていると思います。ぜひ、本文中の動画とあわせてお楽しみください!

【目次】
1.映画マニアからクリエイターへの挑戦状!
-映画マニアのフカがピックアップした6本の映画
-参加者の紹介
2.クリエイターが映画の特長を考察!

映画マニアからクリエイターへの挑戦状!

「第1回映像美ディスカッション」とは…

1.映画マニアで有名な(?)当社社員のフカさんが映画に関する問題を出します。
2.動画の撮影・編集をメインとしているクリエイターたちが、その問題に対する答えを考えます。
3.クリエイターたちはなぜそう思ったのか、映画マニアから見たその考察は合っているのか?!といった内容を、ディスカッションしてもらう。

という企画になっています!

今回フカさんから出された問題は、「ピックアップした6本の映画には共通点があり、2つのグループに分けることができます。その共通点の発表とグループ分けをしてください」というもの。

解答するクリエイターたちは、動画の撮影・編集をメインにしている「ビジュアルコンテンツクリエーショングループ」の皆さんです!

 

映画マニアのフカがピックアップした6本の映画

それではまず、映画マニアのフカさんがピックアップした、6本の映画をご紹介します。
(それぞれ、YouTubeにある予告編のリンクになっています。)

1.「レヴェナント:蘇えりし者」

2.「her/世界でひとつの彼女」

3.「エターナルズ」

4.「ムーンライト」

5.「ノマドランド」

6.「セッション」

これらをクリエイターたちに見てもらい、それぞれが考えた映像美の共通点についてディスカッションしてもらいます!

皆さんもぜひ、どういった共通点があるのか、予想しながら読み進めてみてくださいね。

 

参加者の紹介

それでは、参加者の皆さんから自己紹介をしてもらいましょう!

KAJI(上段左):弱小YouTuberのKAJIです。趣味はYouTubeです。仕事はしてません。…嘘です。映像系の人間です。お願いします。

イノウエ(上段中央):ビジュアルコンテンツクリエーショングループのイノウエです。ふだんはライブ配信をメインにしていて、その他にアニメーションの作成などを行っています。

ワタリー・ヤスレフスキー(中段左):動画のカメラマンやディレクターなどを担当しています。最近ニーズが高まっているライブ配信ではスイッチャーを担当しています。

ホリタ(中段中央):主にカメラマンをやっております。動画、スチール撮影どちらもやってます。

ヨネダ(中段右):主に写真と動画のカメラマンを担当しています。

フカ(下段右):生産管理課という部署を担当してます。フカです。仕事内容としては、印刷物のデータが下りてから実際に納品されるまでを主に手配・管理をしています。映像に関して私は仕事としては一切ノータッチなので、はっきり言って素人です。作品の選定を映画が好きだということでやらせてもらいましたが、私自身、新しい発見があればいいな、という風に思っています。


ディスカッションの進行は、デザイナーのちゃんくぎ(下段左)と、私ソネ(上段右)でお送りします!

 

それでは早速、各々が考えてきたグループ分けについて解答してもらいましょう。

カメラマンやフォトグラファー、編集者など、仕事内容も肩書きもさまざま。それぞれの特徴が解答に表れ、おもしろい結果となりました!

クリエイターが映画の特長を考察!

クリエイターの皆さんには、6本の映画をどうグループ分けするか、といった視点で語っていただきます!

イノウエ「VFXを使っているか、使っていないか」

イノウエ:自分が考えたテーマは「VFX」です。「VFXを使っているか/使っていないか」という観点で、6本の映画を2つのグループに分けました。

Aが使ってる方で、「エターナルズ」と「her/世界でひとつの彼女」です。
一方で、Bグループが使っていない方。「レヴェナント:蘇えりし者」「ムーンライト」「ノマドランド」「セッションの」4つです。

普段業務でそういう加工をするので、そこら辺がよく目についたかなっていう気がします。ただ不思議なことにどっちが見たいかというと私は全部Bでした。

ちゃんくぎ:イノウエさんの普段の業務、3D関連に携わっているからこそ、の観点ですね!
では、どんどん行きましょう!続いてはカメラマンの皆さんの解答です。

 

ヨネダ「過去の体験からずっと繋がっている物語か、そうでないか」

ヨネダ:自分は「過去の体験からずっと繋がっている物語か/そうでないか」その違いで3つずつに分けました。

「レヴェナント」「ムーンライト」「ノマドランド」っていうのは過去から繋がってる話。
「her」と「エターナルズ」「セッション」がその他、というところで分けました。

あとはカメラマンの視点というか、「レヴェナント」は自然風景の描写が秀逸だなと思いました。レヴェナントだけは観たいなと思いました。

 

ワタリー・ヤスレフスキー「日本語ナレーションがあるか、ないか」

ワタリー・ヤスレフスキー:自分の解答はこちらです。予告編に「日本語ナレーションがあるか/ないか」。その観点で3つずつに分けました。

▲お手製のフリップめくり!笑

これは、僕はターゲットの違いかなという風に思いました。ナレーション無しのものは、ストーリーをそこまで説明しなくても、この映画を観たいと思わせる予告編。要は「コアな映画ファン」に向けた予告編。

一方、ナレーション有りの予告編というのは、ある程度大まかなストーリーとか、この映画の見所とかを事前に予告編で説明することで、お客さんに映画館に来てもらう狙いがあるのではないかと。つまりこちらのターゲットは「比較的ライトな層」に向けた予告編。

そして僕が個人的に感じるのが、邦画予告編というのは結構ナレーションあり、のものが多いかなと。お題として出た6つの中で、「ムーンライト」の予告編のタイトルが本国予告編みたいな感じだったんです。YouTubeで探してみたところ、日本向けの予告編というのがあり、そちらにはやはりナレーションが入ってました。(「ムーンライト」日本版の予告編はこちら

文化の違いなんですかね?割と日本人向けの予告編というのは、ナレーションを入れて、予告編でストーリーや見どころをきちんと説明して、映画を見てもらう。というパターンが多いと思いました。
以上、マーケティング的な視点での考察でした。

 

ホリタ「画角の違い」

ホリタ:自分は「画角」が違うのではないかと。Aグループに分けた映画は、割と広角で撮っているシーンが多くて、Bの方がちょっと寄った感じの、人だけ撮って…みたいな。人だけ撮ってれば物語が分かってしまう映画なんじゃないかなぁと。

一方のAグループは、広角レンズで風景を含め、ひろーく景色などを撮って、映画館向けかなと。大画面で見た方が楽しいいんじゃないかなっていう印象を受けました。
「ノマドランド」はちょっと調べてみると、朝焼けとかそういうきれいな景色に重点を置いてるみたいで、実際映像も広角気味で撮っていたので、Aグループにしました。

 


皆さんご解答ありがとうございます!それぞれの仕事内容が反映されていて、おもしろいですね。
ワタリーさんは構成作家の経験もある方なので、マーケティング視点からのアプローチもしてくれました。(さらにフリップにめくりまであるテレビ仕様…!凝ってる!)

さて、全員分の解答が出揃いました。はたしてこの中に正解はあるのでしょうか…?

ここからはフカさんにバトンタッチして、解説をお願いしたいと思います!
▼それではフカさんの解説動画をご覧ください。

 

…ということで!フカさんから発表された答えは、「なるべく照明を使わず、自然光を重視した作品か/そうでないか」でした!

フカさんは、自然光を重視した作品として、「レヴェナント:蘇えりし者」「ノマドランド」「エターナルズ」を。
画面色調を調整している作品として、「ムーンライト」「her/世界でひとつの彼女」「セッション」という風にグループ分けをしたんですね!

ストーリーだけでなく、色調までチェックするさすがの映画マニアっぷりです。

ではここから、各作品、各人の考察についてさらに深掘りしていきます!
より深く、プロ視点での映像技術や撮影方法の話、さらには各国の文化のちがいまで?!話が盛り上がりました。

後編は後日公開予定です!お楽しみに!

▼後編が公開されました!こちらからご覧いただけます。

クリエイターの思考や撮影技術に関する話が盛りだくさん!【第1回映像美ディスカッション(後編)】

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