
以前、『ヒラメキ工房』では、「印刷用紙についてほんのさわりの豆知識」という記事で、印刷用紙について解説しました。
今回は、用紙の厚さを表す「斤量(読み方:きんりょう)」に焦点を当て、さらに詳しく解説していきます!
斤量とは紙の厚さを表す用語
印刷業界では「斤量(きんりょう)」という言葉が日常的に使われています。
斤量とは、用紙の厚さを示すもので、連量と同様に原紙を1,000枚重ねた時の重さ(kg)を指します。(※板紙の場合は100枚)
つまり、斤量の数字が小さいほど薄く、大きいほど厚い用紙ということになります。
ただし、紙の種類によって密度が異なるため、同じ斤量でもごくわずかですが1枚の厚さが異なることがあります。例えば、斤量が同じ「110kg」と表記されていても、コート紙は0.1mm、マット紙は0.13mm、上質紙は0.15mmと、紙の種類によって厚さに違いが生じます。(※銘柄によって若干の差異あり)
では、用紙1,000枚が具体的にどのくらいのボリュームになるのか、工場の様子を例にご紹介します。
写真では分かりづらいかもしれませんが、1つの包みに250枚紙が包まれているため、この包みを4つ合わせると1,000枚になります。「斤量:76.5kg」というのは、この1,000枚の紙の重さが76.5kg、ということです。
*「FSユースマット」は、当社の寄付金付プライベートブランド用紙です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ちなみに印刷会社では、印刷用紙を発注する際に、以下の4つの要素をセットで指定します。
1.用紙銘柄
2.規格
3.斤量
4.紙の目
「ユーライト、菊、93.5kg、Y目」というようにです。
これは、「ユーライトという銘柄の用紙で、サイズは菊判(全紙:636×939mm)で、1,000枚重ねた時の重さが93.5kgの厚さのもので、紙目が横方向に走っている用紙」という意味になります。紙を指定する時にこの4つをスラスラと言えると、玄人っぽく見えますね!
ちなみに、競馬で使われている「斤量」は、レース中の馬が「騎手の体重+重り」でどれだけの重量を負担するのかを表しているそうです。同じ言葉でも、印刷業界とは異なる意味を持っているのが興味深いですね。
アイテム別に見る用紙の斤量の目安
ここまで斤量について説明しましたが、数値だと具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。そこで、一般的な印刷物を例に、アイテム別の斤量の目安をご紹介します。
名刺はコート紙180kgがよく使われますが、「よりしっかりとした印象を与えたい」という場合は、180kg以上の用紙を選ぶこともあります。
また、一般的なチラシは、コート紙またはマットコート紙の46判90kg(=菊判62.5kg)が使われますが、少し厚みを持たせたい場合は、46判110kg(=菊判76.5kg)を選ぶこともあります。紙が少し厚くなるだけで、ほかのチラシより目立ちやすくなることが期待できます。
反対に、DMのような重さが郵送料金に影響する印刷物や折込チラシでは、薄く(軽く)する場合に46判73kg(=菊判50.5kg)以下を選ぶこともあります。
このように、印刷物の目的や用途に応じて、最適な斤量の用紙を選ぶことが重要です。
まとめ
以上、用紙の斤量についての解説でした。
印刷物を発注する際は、今回の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
もちろん、「よく分からない!」といった場合でもご安心ください。
私たち印刷のプロにご相談いただければ、目的や用途に合った最適な用紙をご提案いたします。
印刷物のお見積り・ご相談は、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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