工事が永遠に続く横浜駅は 日本のサグラダ・ファミリア

コラム

みんなが住みたい街『横浜』

リクルート住まいカンパニーが発表した今年の「みんなが選んだ住みたい街ランキング関東版」で吉祥寺と恵比寿の2強を抜いて横浜が初の1位を獲得しました。調査は東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城に住む20~49歳の約7千人を対象に、住んでみたい街の最寄り駅を尋ねたもの。20代、30代、40代の3つの世代でそれぞれトップになり、総合首位に輝きました。各世代が共通して重視しているのは鉄道などの交通の便。生活面や余暇の充実などにおいてアクセスのよさが評価されたものと思われます。また、みなとみらいや港周辺、元町、山手などのエリアの魅力もポイントを上げる要因となっていますし、大ヒットしたテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』をはじめ、さまざまなドラマや映画の舞台として注目されていることも人気を後押ししていると考えられます。

横浜駅の開業

そんな横浜駅が開業したのは今から146年前の1872(明治5)年、日本で初めて新橋~横浜間を鉄道が走った年です。
当時の居留地に近い位置ということで現在の桜木町駅の場所にありました。1887(明治20)年に横浜~国府津間が延伸されると、横浜駅でスイッチバックして国府津方面へ向かうような形を取らざるを得ませんでした。それを解消できたのが1915(大正4)年。現在の地下鉄高島町駅付近に2代目横浜駅が開業。その後1923(大正12)年の関東大震災により駅舎が焼失すると、1928(昭和3)年に現在の位置に3代目横浜駅が造られました。

現在の横浜

現在の横浜駅は、JR、私鉄、地下鉄の6社10路線が利用できる国内最大級のターミナル駅ですが、駅開設以来、構内や周辺で大きな工事がほとんど切れ目なく続けられており、スペインの世界遺産サグラダ・ファミリア教会を連想させることから「日本のサグラダ・ファミリア」と呼ばれています。建築家A・ガウディが設計したサグラダ・ファミリアは1882年に着工、当初は完成まで300年かかるといわれていましたが、建築技術の発達で工事が短縮。ガウディ没後100年の2026年の完成が見込まれています。
一方、横浜駅の現在の工事の中心は2020年竣工をめざす26階建ての横浜駅西口ビル(仮称)。さらには市が進める横浜駅の大改造計画「エキサイトよこはま22」が、2030年頃まで続くといわれています。1872年から数えると実に158年ということになります。いやいや、「みなとみらい21」に引っかけたようなこの計画のネーミングは、22世紀を意識しているとも受け取られ、ひょっとしたら2030年にはまた別の工事が始まっているということも考えられます。世界的な観光名所への道を突き進む渋谷駅の工事がいま注目されていますが、横浜も負けずに魅力度をアップする工事が進行する中で、どのような完成形を見せてくれるのか期待が膨らみます。

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