【今だからこそデジタルで顧客との接点を!】コロナ禍で高まるSNSの重要性

インタビュー(対談)

コロナ禍で高まるSNSの重要性

こんにちは。マーケティング担当の和田です。

突然、私たちの暮らしを一変させた新型コロナウイルス。
ウィズコロナ/アフターコロナの時代を「新しい生活様式」 で過ごすうえで、企業と顧客の関係性も変化するのか。企業SNS運用の第一人者である風間公太氏に、これからの企業のコミュニケーションのあり方を、SNSでの接点を中心にお聞きしました。

風間公太氏プロフィール
株式会社顧客時間 チーフプランナー/広報統括
ソーシャルメディアスペシャリスト

音楽学校や劇団四季での広報・宣伝担当を経て、2007年良品計画入社。コミュニケーション担当として、無印良品Twitter、Facebook、Instagram、LINEアカウントを開設し、500万人を超えるフォロワー/ファンの窓口を一手に担った、日本企業SNS運用の第一人者。他にもCRMアプリ「MUJI passport」や睡眠アプリ「MUJI to Relax」、グローバルブランディングなど、デジタルマーケティング全般、DX推進に携わる。

2019年、顧客時間に参画し事業会社のDXを支援。グローカルやフリーランスのソーシャルメディアスペシャリストとして、企業アカウントの運用支援も行なっている。Agenda Noteで「顧客基点のソーシャルメディア戦略」、日経クロストレンドで「企業がSNSを続ける理由」を連載中。

コロナ禍で変化する企業のあり方

−コミュニケーションの観点で今回の新型コロナウイルスが企業に与えた影響はどのようなことでしょうか。

風間:ひとことで表現すると、「デジタル接点の重要性がさらに高まった」と言えます。特にリアル店舗を中心にビジネスを行なっていた企業は、顧客との接点を突如として絶たれてしまう状況になりました。リアルの場だけでなく、TV CMも流せなかったり、チラシの新聞折込みも難しい。そのような中、SNS、アプリ、ECサイトなど、顧客とデジタルの接点を築いている企業とそれがまだ出来ていない企業では、緊急事態宣言や外出自粛の期間内に、コミュニケーションの総量の差が大きかっただろうと想像しています。

−いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいるのか、そうでは無いかの差だとも言えるでしょうか。

風間:確かにそのとおりでもありますが、今回のような非常事態が、期せずして顧客側の「暮らしのデジタルシフト」を加速させたとも感じています。私が参画している顧客時間で、三井住友カードのキャッシュレスデータを使い、コロナ前後での買物行動分析を実施しましたが(「コロナ影響下の消費行動レポート」https://www.smbc-card.com/company/news/news0001527.pdf )、注目すべき点として、高齢者の方々のEC利用率が一気に拡大していました。これが一過性の傾向なのかは今後のデータを追い続ける必要がありますが、デジタルを敬遠していると思われていた高齢者のデジタルシフトの兆候が、コロナをきっかけに見られるようになったことは、事業会社のみなさんも意識すべき部分だと思います。

また、やはりコロナ感染拡大防止策として、スーパーや飲食業などが、リアル店舗での支払いを現金ではなく、アプリやカードなどのキャッシュレス支払いを顧客側に積極的に勧める光景も頻繁に目にするようになりました。昨年は国を挙げてのキャッシュレス推進があり、PayPayなどのモバイルペイメントも多くの生活者が利用し始めるきっかけとなりましたが、予期せずコロナがそれを後押しする形になった。企業側がDXを推進する/しないに関係なく、私たちの暮らしに関わる多方面な部分で必然的にデジタルシフトが進んでいると言えます。

−その中で、SNSの役割も変化しているのでしょうか。

風間:顧客と直接コミュニケーションが出来るという視点ではその重要性に変わりはありませんが、有事と直面したことで、企業が何を発信するか、つまり「ブランドの行動」を以前よりも顧客が気にするようになっています。コロナ真っ只中の象徴的な出来事ですが、北海道のサツドラ(サッポロドラッグストアー)が、他社に先駆けてマスクの開店時販売を中止を決め、それを告知するツイートが話題になりました。当然このツイート自体が数多くのリツイートといいねをされましたが、さらにサツドラの顧客/ファンの方たちがこの英断を後押しするコメントを寄せています。

残念ながら世間ではSNSの負の面を取り上げるようなニュースが多いですが、SNSを使って顧客とデジタルの接点を築いていたからこそ、ポジティブな声を可視化すること出来たとも言えます。実は意外と企業は、このような顧客のポジティブな声を得る手段を持っていないものです。このような声を可視化出来ることだけでも、企業がSNSに取り組む価値はあります。

もちろん、物やサービスをビジネスにしている企業ならば、売り上げなどが最終的なゴールになりますが、数値として自社事業に貢献する目的だけなく、前述のサツドラの事例のように、「顧客との関係性を可視化」のような定性的な側面が、これからはSNS運用に於いてもっと重視されるだろうとも思っています。

−野毛印刷はB to B企業で、当社のセミナーにもB to B企業の皆さんが多く参加されますが、B to Bの場合はどうでしょうか。

風間:「B」を会社や組織のような感覚で捉えるのか、人の集まりと捉えるのかでSNSに取り組む姿勢もだいぶ異なると思います。そもそもSNSのタイムラインは人と人の会話の集まりなので、そういった意識で臨めば、B to CもB to Bもそれほど運用の考え方に違いは無いと思います。しかも、リアルの場で対面が直ぐにコロナ前と同じように戻らないのはB to Bも変わらないと思いますので、デジタルでつながることの重要性もB to C企業と同様だと考えます。

−領域が限定された商品やサービスに特化したB to B企業では、SNSで投稿するコンテンツづくりが難しいという話もよく聞きます。

風間:確かに、小売業や飲食業などは商品やメニューを数十種類、多ければ数百種類有していますから、それがそのままコンテンツになりますが、専門領域のB to B企業はそうではない。では、何をコンテンツの中心に据えるのかと考えたとき、私は「シェア型」の運用をおすすめしています。この運用手法は、人を中心に設計します。中小企業ならば、経営者の方が運用されるのが最適です。

コロナ禍におけるSNSの具体的な運用は

−具体的には何を投稿するのが良いのでしょうか。

風間:人を中心と考えると、担当者の個性を前面に出し、バズりツイート狙うような“ゆるい”アカウント運用をイメージする方も多いかもしれませんが、そういった運用手法は難易度が高く、容易に真似は出来ません。

私がシェア型運用の参考例としてよくご紹介しているのが、ジャーナリスト/作家の佐々木俊尚さんのTwitterアカウントです。佐々木さんと言えばSNSでの「キュレーション」の先駆者として多くのフォロワーを獲得されていますが、毎朝10本前後の記事を、ご自身の見解を付けてシェアする。この手法ならば、SNS用のコンテンツのためにテキストを書いたり、写真を撮影したりする必要はありません。ニュースを探す手間はかかりますが、SNSを情報収集で使用している方ならば、普段からタイムラインに多くのニュースが流れてくると思います。興味があるもの、自社の事業に関連があるものなどに、コメントを付けてシェアする。これがシェア型運用です。引用型運用とも言えますね。

−シェアするニュースは運用される方の私見で構わないのでしょうか。

風間:どんなニュースをシェアするのかが個性につながりますので、私見で構いませんが、気にするべき点もあります。

一つはシェアするニュースに信憑性があるのか、ニュースソースには気を配る必要があります。もう一つ、例えば経営者の方ならば、自社が属する業界などのニュースに目が向きがちだと思いますが、あまりにも自社事業関連のニュースばかりシェアしていると、それが結果的に宣伝のように思われてしまうこともあります。この部分でも佐々木俊尚さんのアカウントが参考になるのですが、佐々木さんは政治、IT関連などのニュースを軸に、趣味である登山や料理、映画などのエンタテインメント関連のニュースもシェアされています。

こういった自社ビジネスとは少し違うの視点のニュースを織り交ぜることにより、運用される方の個性が明確となり、その魅力に惹かれるようになる。その延長線上に企業の存在、認知、興味へと深まる流れが形成されることが理想です。

−現時点で顧客とのデジタル接点が無い企業が、いまからSNSアカウントを開設するのでは遅いのでしょうか。

風間:いえ、遅くはないです。最初の話に戻りますが、重視すべきは「顧客とのデジタル接点」の構築です。言うまでも無く、SNSの利点の一つは誰でも無料でアカウントが開設でき、広告などを除けば運用自体も無料で出来ます。コスト面のハードルの低さも魅力なので、まずSNSを使ってデジタル接点を築いてみるのも良いのではないでしょうか。

−これからSNSアカウントを運用する企業は何から始めるのが良いでしょうか。

風間:野毛印刷さん主催のSNSセミナーに参加されたり(笑)、共感が持てるアカウントの運用手法を真似てみることも最初の一歩になると思います。もちろん、目的、運用スタイル、顧客対応方針、効果測定方法など、定めるべき項目もありますが、小さく始めて運用しながらその感触を得てみる。運用こそが何よりもの学びとなります。時には失敗することもあるかもしれませんが、人と接する上での最低限のマナー、ルールに準じていれば、失敗も大切な経験となります。

繰り返しになりますが、コロナに限らず、災害なども含め、予期せぬ困難と直面した際、自社と顧客がつながり続ける接点を有しているのか。今回のコロナは、それを再点検するきっかけにもなりました。もし、これまでもSNSに取り組もうと思いながらも、それが実現出来ていなかったならば、あまり構えすぎす、第一歩を踏み出してほしいなと思います。

対談を終えて

風間さんとの対談を終えて、改めてSNSの在り方を考えるきっかけとなりました。一時期のフォロワー数やいいね数だけを重視するマーケティングが流行った影響で、SNS=バズることが大事。というような風潮が未だに残っている気がします。それは大きな間違いであり、あくまでもSNSは顧客とのコミュニケーションツールであると風間さんとの対談で強く感じました。ニュースのシェアのように、今日からでもできるSNS施策をスピーディーに実施して、継続していくことが大切なのではないでしょうか?

 


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