父への感謝を表す「父の日」
1908(明治41)年に始まり1910(明治43)年頃にアメリカで制定され、日本でも1947年(昭和22)年に制定された「母の日」に対して、「父の日」が認知され始めたのはかなり後。アメリカで制定され、日本に伝わったのは1980年代頃といわれています。
その「父の日」については、まだまだ影が薄いものの、このようなコラムでも取り上げて盛り上げていきたいという願望もあるので、いろいろ調べてみました。
「父の日」の起源はいつ? 日本にはいつ伝わった?
そもそものルーツは意外と古く、1909年にアメリカ、ワシントン州のソノラ・スマート・ドッド(ジョン・ブルース・ドット夫人)が、男手ひとつで6人の子を育ててくれた父への感謝の気持ちを表すために、父の墓前に白いバラを供えたことがきっかけで、翌年には、同時期に始まっていた「母の日」に対して「父の日」もあるべきだという彼女の牧師教会への懇願を受けて始まったといわれています。
しかし、正式に国の記念日になるまでは60年も経ってから。1966(昭和41)年に第36代大統領リンドン・ジョンソンが「父の日」を称賛する大統領告示を発し、6月第3日曜を「父の日」に定め、1972(昭和47)年に正式な国の記念日に制定されました。日本でも1950年代から一部で受け入れられていましたが、一般的な記念日として認知され始めたのは1980年代の頃といわれています。
お父さんへ年に1度のプレゼント
1981(昭和51)年にメンズファッション関連企業を会員とする業界団体の社団法人日本メンズファッション協会が母体となり「日本ファーザーズ・デイ委員会(FDC)」を設立。「父の日」の普及をはじめました。
当然ですが、プレゼントとしてハンカチやネクタイなどのファッション小物を買ってもらおうという商業的な意図があったものと考えられます。
「父の日」のキャンペーンでは、黄色いリボンは幸せを呼ぶ象徴ということで「黄色いリボン」を贈るよう推奨。素敵なお父さん表彰する「ベスト・ファザーイエローリボン賞」を設けました。花をプレゼントする場合アメリカの習慣で白いバラだったのですがいつのまにか黄色いバラになったとか。
プレゼントには何を贈ればいい?
「母の日」と同様に「父の日」も感謝の気持ちを表すプレゼント習慣が始まったわけですが、いったい、どのくらいの割合でお父さんたちがプレゼントをゲットしているのか、いろいろな調査などをチェックすると、「母の日」に比べて少ないのは明白です。
それでも最近の調査を見ると、半分くらいのお父さんはプレゼントをもらっているようです。
プレゼントは子から父へということで、小さい頃は、一生懸命に描いた似顔絵が定番で、肩たたき券や、手紙が多いのは「母の日」と同じですが、商品となると圧倒的に花が多い「母の日」に対して、「父の日」のプレゼントはかなりバラエティに富んでいます。
意外なのはお酒が一番多いということ。何にしようか悩むよりはお酒が無難ということかもしれません。
ファッション小物もネクタイや財布などより、靴下、下着、パジャマといった、わりと選びやすいもののほうが多いようです。
最近は、お父さんを囲んで家族で食事をして、みんなで楽しめる日にするという傾向があります。お酒や食品がプレゼントに人気なのはそんな理由もありました。
気に入ってくれるかどうかわからないプレゼント品にこだわるのではなく、感謝の気持ちを言葉で伝えて、みんなで食事を楽しむ「父の日」、そっちのほうが何か素敵な気がします。