こんにちは。印刷課のオグラです。
今回は印刷の現場をお見せしようと思います!
テーマは「色合わせ」、です。
印刷物は機械にセットすれば希望の色で刷り上がる、というわけではありません。
オペレーターが機械を調整して色合わせをすることで、きれいな印刷物ができあがります。
工場ではどんなことが行われているのか…。
ぜひその様子をご覧ください!
印刷物の色合わせとは
基本のカラー印刷は、B/ブラック(=K/キープレート)、Ⅽ/シアン、Ⅿ/マゼンタ、Y/イエローの4色をかけ合わせ、網点とベタ(=塗りつぶされたもの)でカラー写真やイラストを再現しています。
▼カラー印刷は、このように4つの色の「版」でわかれています。
▼上の4版を重ねると、このようにいつも見かける印刷物に。
▼こいのぼりをスマホで拡大すると、小さいドット=網点が集まっていることがよく分かります。
このようにきれいな印刷物にするには、色合わせの作業が必要になります。
では、どのようにして色合わせをしているのか。
印刷物の作り方としては、まず機械に刷版を取り付けて印刷用紙を流していくことから始まります。
すると各ユニットがBCMYの色順に絵柄を紙に転写していく、という流れで刷られていきます。
ちなみに、印刷物は人の目だけで色の判断をしてしまうと、人によって「赤い」「青い」など見え方が異なるため、品質を維持することが難しくなります。
そこで基準になるのが、Japan Colorです。
野毛印刷は、Japan Color認証制度をもとにした基準濃度と網点で基準値を決めています。
(Japan Colorとは、ISO国際標準に準拠した日本のオフセット枚葉印刷における標準の印刷色のこと。詳しくはこちらをご覧ください。)
BCMY各色が基準値にあっているかは、濃度測定器を使って確認します。
誤差を±0.05網点±3%以内に合わせ込みをしていきます。
計測器を使うことで人によるばらつきをなくし、同じ色を再現できるようにしています。
▼こちらはコントロールストリップといい、印刷に必要な濃度・網点についての情報が詰まっています。
▼測定器でコントロールストリップを読み取ります。
▼読み取った情報がモニター画面に表示され、印刷オペレーターが補正をかけて適正濃度基準値にしていきます。
オペレーターが機械を使って、基準値に調整できたら色合わせ完了です。
その後、本番の印刷(本刷り)に入り、大量に印刷していきます。
どうでしょうか?
きれいな印刷物を作るにはオペレーターの調整が必要不可欠なのです。
同じ絵柄でも色が変わる?
このように印刷オペレーターが調整して、濃度の「濃い/薄い」、網点の「太い/細い」が無いようにしていますが、下記の理由で色が合わず、差が出てしまうこともあります。
色見本も、ものによっては合わせるのが大変です。
・適正印刷における濃度と網点の許容範囲上限と下限での差
・用紙の白色度の違い(白い紙でも赤い・青い・黄色い系がある)
・他社で印刷したものが色見本(会社によって基準が違うので合わない!)
・デジタル印刷でプリントしたものが色見本
・DDCP、紙焼きが色見本
こちらは昔から印刷のテストでよく使われている絵柄ですが、濃度・網点の違いで、これぐらい顔や洋服の色が異なってしまいます。
困ったときはご相談ください
ここまでお伝えした内容で、印刷オペレーターの色合わせの仕事が少しでも伝わっていたら幸いです。
そして、最後にお伝えしたように、同じ絵柄を印刷したとしても、さまざまな要因で異なる色の印刷物が刷り上がってしまうことがあります。
「自分が頼んだ印刷物がどう仕上がるか不安…」と感じた方は、本機色校正を取ることをオススメいたします。
本番と同じ条件(機械・用紙)で印刷することで、仕上がりイメージも明確になりますし、色の調整や再現度合いもグッと上がります。
当社はお客さまのご要望に応じて、適切な印刷方法をご提案いたします!
印刷物でお困りごと・ご相談ごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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