【企画】ものづくりや企画を考える前の整理整頓、できていますか?ビジネスモデルキャンバスの解説

クリエイティブ / 設計

 

普段からデザイン業務や企画などに関わる私ですが、普段から物事の整理整頓で悩まされます。

デザイナーと言えば、必要最低限の物しか置いていない真っ白な空間の中でぽつりとMacと本が置いてある、そんなイメージをさせられます。実際に前社でお世話になった自分の師匠も、まさにこんなイメージの方で、完璧主義者で物事をミリ単位で考えるような、そんな人でした。単純に身の回りを清潔にするだけではなく、データの名称やレイアウト設計までもすべて完璧に数字を整えるきっちりとした人間。その反面、私は整理整頓があまり得意なほうではないので毎日のように叱られていた記憶があります。

物を散らかすのは業務上よくない・見た目もキレイじゃない・事故に繋がる・他人に迷惑がかかる・そんなことは当たり前のことで、ただ整理整頓はデザイナーとして業務上の延長線上にある、[必ず身につく能力]なのだと勝手に決めつけていた自分もそう古くなく、仕事を覚えるうちに勝手に整頓能力や取捨選択ができる人になれるのだろう、なんて思いながら仕事を続けていました。しかしそれは嘘と偽りの塊で、汚す人は汚す。それはデザイナーだろうがなんだろうが関係はありませんでした。特にデスクの上は散らかりやすく、気づいたら資料が山積みに…なんてことはよくあります。よね。

整理整頓は特殊能力なのかもしれません。明日から変えよう!と思っていてもなかなかできない始まらない。日々の意識による、強制的な習慣付けが必要だと感じました。(歯の矯正みたいなものでしょうか…)

整理整頓は、例えばデスク周りの清掃だけに該当するものではなく、ものを作ったり企画したりする際にも同じです。思考が散らかる、考えがあやふやになる、そんな悩みにも整理整頓が必要です。私が実行した(やっと実行できた)一つとして、「ビジネスモデルキャンバス」というツールを使用し、思考を並べてみて、見える化するようにしました。

 

 

ものづくり、企画などの見える化で頭スッキリ。
ビジネスモデルキャンバスの活用。


例えば本のデザインをしているとき、このデザインは誰のために存在して、どんな幸福を与えて、そしてそれに携わった方がどれだけいて、最後にどれだけ自分に入ってくるものはなんだろう?それぞれが明確ではなく、思考を散らかしたままの状態のときがあります。一つ一つ思考で留めておくだけでなく、必ず各要素をカテゴライズして目に見えるものとしておいておかなくてはなりません。
そのツールとして役立つものが「ビジネスモデルキャンバス」です。
このツールは要素を9つの各ブロックに分けることにより、顧客やパートナー、予算や売上などを明確にし、商品開発や企画などに役立てることができます。

 

「マーケットイン」で考えると、まずは「CS」を決める。

顧客(CS:Customer Segment)の設定です。誰の役に立ちたいか?を最初に考えますが、そこには性別・年齢・国籍・職業・地域など様々な人が存在します。本のデザインで例えれば、「子供向けの商品」として設定し、対象を「子供」「家族」などに絞ることができます。

 

どう役に立ちたいかを決める「VP」。

顧客(CS)に対して価値(VP:Value Proposition)となるものを考えます。上で設定した「子供」「家族」を対象にすると、「子供の成長に役立つ」「親子で楽しめるもの」などを上げてみます。そうなると、子供と親が一緒に楽しく読め、子供の成長に繋がるものとして、[ポケモンのような、育てるという要素が混じった、親子で楽しんで、かつ成長につながる絵本]といった商品が想像できました。

 

商品をどう届けるか?を決める「CH」。

CHとはチャネル(Channel)の意味で、商品が考案できたらどうやって売るか?どうやって届けるか?を決めるカテゴリーです。
ここは非常に難しく、売り方によって商品の価値が決まってしまいます。今回考えた絵本は教育の要素が含まれているので、教育機関を通じて提供していきながら、ECサイトなどでB to C向けにも販売していきたいと考えています。

 

どう関わっていくか、継続的に考える「 CR」。

教育をキーワードにしたときに、顧客(CS)との関わりかた( CR:Customer Relationships)は重要になってきます。その成長をヒアリングできるような仕組みが必要ですし、トライ&エラーを繰り返すことにより商品の品質と価値があがるはずです。お客様の声を聞くものとして、メールマガジンへの登録を促し、お客様に新鮮な情報をお届けしながらアンケート等を用いファンの声を回収していく施策が考えられます。お客様の声を聞きながら商品をブラッシュアップすればファンが定着し、2冊め・3冊めの展開を考えることもできます。

 

収益の流れをまとめる「RS」。

収益(RS:Revenue Stream)はどう発生するのかを考える必要があります。ものづくりをしていると先に商品ができあがり、複雑すぎて肝心な値決めができない!という事態に直面することがあります。まずはどのように儲けるか?は大前提ですよね。今回は教育機関への展開による売上見込とECサイトでの商品販売による売上見込が考えられます。前者のほうは、教育機関の横展開を考えた戦略、後者の方は広告収入へ展開することもできます。また、絵本のキャラクターにファンが定着すると、独り歩きして価値を生み出していきます。例えばキャラクター版権料なども期待できるのではないでしょうか。

 

商品を提供するために必要なものは何か「KR」。

商品を作り、それを販売するのに絡む多くの人や物をリソース(KR:Key Resource)と指します。たとえば絵本を作るには絵本作家・イラストレーター・海外に売るならば翻訳者・印刷製本・営業・webプログラマー・デザイナーなど様々。それによってコストなども見えてくるので、具体的に抜粋すると良いでしょう。

主にどんな活動をするか。「KA」。

基本的には製造し、販売する。とてもシンプルですが、リソースに含まれた多くの人が活動することを記していく必要があります。例えば、デザインをする・印刷をする・営業活動をするなどがありますが、営業活動のなかでも、インターネットを使った広報活動なども含まれていきます。特設サイトを作り、リスティング広告を出し、リマーケティング広告を出し…など継続的に行う戦略を中心に考えるべきかもしれません。

 

協業できるパートナーを指す「KP」。

ものづくりを自社のみで行うのはなかなかハードルが高いため、パートナー(KP:Key Patner)を考える必要があります。その中に協力会社や外注先、資材発注先などがありますが、今回は空想上ではありますが、自社のスペックで考えると…以外に全部できちゃいそうな感じがしますね。

 

人・物・情報でかかるコストを考える「CS」。

コスト(CS:Cost Structure)を考えると、人件費・資材費・広告掲載費など様々。物語を作る人、絵を描く人、印刷をする人・資材、製本をする人、配送をする人、販売をする人、販売促進をするwebサイト・広告媒体など細かく記していきましょう。人が時間を費やせば当然コストがかかります。社内でかかる見えない人件費も時間あたりで計算できると良いですね。

 

 

長々と書いてしまいましたが、上記は開発する段階での設計書だと思ってください。もちろん、運用していくうちに販売ルートは増え、人や資材が変わり、発生するコストも増える可能性もあります。当然、顧客も増えれば、新しいターゲットも見えてくるはずです。実は絵本が老人に大人気な可能性もありますよね。予期せぬ旨味、損失はある中、定期的にブラッシュアップしていくと良いと思います。

実際に当社で推進中のポップアップ商材でも運用しましたが、初回と改訂版で大幅に変わった部分がありました。正直最初はB to C向けの商品だよね?なんて話ながら開発を進めていましたが、営業の切り込みでB to Bへの販路が開けてきている感じがあります。特にDMなどで反響率が高まる効果があるからなのかもしれません。

これも予期せぬ旨味ではありましたが、今後の販促活動に大きく関わることです。そのたびに新たに顧客などを定めなおして、修正を進めていきたいと思います。

みなさまも是非、ビジネスモデルキャンバスを使ってみてください。

 

出典:オスターワルダーほか「ビジネスモデル・ジェネレーション」

 

 

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