【地域社会のSDGs、実りました】 パートナーシップで「だれもが、みなげんきに」

実績・事例 / 印刷物

SDGsはグローバルだけじゃない。地域社会でも。

SDGs(持続可能な開発目標)というと、なんといっても国連の目標ですから、国際社会の課題解決という印象が強いですよね。
実際、169のターゲットには「開発途上国」への言及がとても多いことからも、国際社会への視点や関心はとても重要です。

では、国内の身近な社会はSDGsに関係ないかというと、そんなことはありません。

なぜなら、169のターゲットには「開発途上国」だけでなく「すべての国々」や「すべての人々」への言及もとても多く、すなわち、日本やあなた自身もその対象であるからです。

先進国が持続可能でないとしたら、開発途上国への貢献どころではありませんよね。
まずは、自分や家族、身近な人々の暮らしを見直す、という考え方も、SDGsへの取り組みではとても大切なのです。

さて、そんなわけで、身近な人々の暮らしにフォーカスした「地域社会のSDGs」の事例を、ご紹介したいと思います。

地域社会のSDGs『だれみなプロジェクト』

当社のお客さまには、地元横浜を中心に、福祉関係の団体さんも多数いらっしゃいます。

今回は、横浜市瀬谷区の「二ツ橋地域ケアプラザ」さんが中心となり結成された、地域密着型の福祉プロジェクト『だれみなプロジェクト』と、このプロジェクトが企画・発行した情報紙『だれみな通信』をご紹介します。

『だれみな』って何?何語??とお思いでしょうが、これは「だれもが、みなげんきに」という願いを込めて、プロジェクトのメンバーたちが命名した、言わば健康の合言葉です。

テーマは、「コロナ禍のおうち時間での健康づくり」。

目的は、主に高齢者を対象とした、介護予防です。
すなわち、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」と目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に関する取り組みです。

 

コロナ禍の自粛生活で、外出の機会、減りましたよね。

特に高齢の方々にとっては、外出もままならない状況で、身体を動かさない、会話をしない、食事がおろそかになる、というネガティブな要素の積み重ねが、要介護状態へのリスクを高めてしまいます。

そんなことにならないように、本来であれば対面式の講座で丁寧に説明をしたいところですが、三密を避けたいため、講座の開催もままなりません。

そこで、代替案として、印刷物の刊行による介護予防の啓発が企画されたわけです。

プロジェクトのメンバーは、地域の福祉と保健の拠点であるケアプラザの職員に、理学療法士・言語聴覚士・管理栄養士・保健活動推進員・ヘルスメイトという、多彩な顔触れ。

「栄養」「口腔」「ロコモティブシンドローム」の3つの分科会に分かれ、延べ10回の会合を重ねて、刊行物の内容を吟味しました。

それぞれの専門知識と熱い想い、福祉の現場での経験、生活者としての実感が凝縮され、濃密かつ活気にあふれた話し合いが重ねられました。

地域社会のSDGs。印刷会社の役割は?

このプロジェクトにあっては、当社は異質な存在でした。

なぜって、印刷会社である当社だけは「福祉の現場」とは直接関わりがないからです。
このため、スタート当初は他のプロジェクトメンバーの「なんで印刷屋がいるの?」という視線を感じたことを覚えています。

では実際「なんでいたの」かというと、「情報を整理して、分かりやすく、伝わりやすくする」という役割が必要だったからです。
どんなに優れた内容でも、対象となる方、今回であれば主に高齢の方々に伝わらなくては意味がありません。

印刷物というものは残念なことに、ご家庭に届いた瞬間に読まれもせずに「紙ゴミ」として捨てられることが、とても多いのです。
まず、目に留まること。そして、自分に関係のある内容であることを理解してもらい、最後まで目を通してもらうこと。これが、なかなか難問です。

そこで、以前から親交のあった二ツ橋地域ケアプラザの職員さんにお声がけいただき、当社が参加することになったのでした。

印刷会社のミッションは、お客さまのコンテンツをより効果的に伝えること。キレイにデザインするだけでなく、伝え方のノウハウもご提供しているのです。


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より効果的に伝えるためのポイント

『だれみな通信』では、「仲良し3人組」の会話という形で親しみやすさを出すと同時に、専門用語を排した平易な言葉を心掛けました。

例えば前述の「栄養」「口腔」「ロコモティブシンドローム」の3つの言葉。
「栄養」は誰にでも伝わりますが、「口腔」は意味はわかっても音としては耳に馴染まないため「お口の健康」と言い換えました。
「ロコモティブシンドローム」とは運動機能の障害により外出等の移動する機能が落ちた状態を指すのですが、専門知識のある方以外はご存じないと思われますので、「“お出かけ”できてますか?」という問いかけに変えました。

また、ネガティブな印象がある「介護」という言葉も極力避け、代わりにポジティブな印象の「健康」を多用し、読んで前向きな気持ちになる楽しい紙面を目指しました。

イラストも、プロが描いたものではなく、ケアプラザの職員さんが描いた味のある手書きのイラストを使い、身近な感じを演出しています。

『だれみな通信』は職員さんが描いたイラスト入り。

そして、発行の方法。当初は3つのテーマをまとめて1回で発行する予定だったのですが、対象となる方の目に触れる回数を増やすためと、読者が読み飽きない分量に抑えるため、敢えて4号に分割。

ひと月ずつずらして発行することで、最初は関心の無かった方にも徐々に関心を持っていただきながら、全編読み通していただくことを目指しました。

できあがった『だれみな通信』1号~4号は、見た目はA4表裏の素朴なリーフレットですが、これぞ「パートナーシップで目標を達成しよう」という、実りある取り組みになりました。

地元の情報紙にも記事「だれみな通信」地域ボランティアや企業らが発行 「お家で健康づくりを」 | 瀬谷区 | タウンニュース (townnews.co.jp)が掲載されましたので、よろしければこちらもご覧ください!

『だれみな通信』に興味がある方は、当社にご連絡いただくか、横浜市二ツ橋地域ケアプラザ(045-361-9807)にお問い合わせくださいませ。

 お問い合わせ


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