カラー印刷の基本色「CMYK」は、色の三原色であるシアン(Cyan)マゼンタ(Magenta)イエロー(Yellow)の頭文字に、色調を意味するキー・プレート(Key Plate)の黒を加えて表現したもの。
その有彩色のなかでいちばん明るい色でありながら、ポジティブ、ネガティブ両方のイメージを持つ色が「イエロー(黄色)」です。
今回は、その「黄色」が持つイメージや意味について深堀りします。
黄色でイメージするもの
「黄色」と聞いて、皆さんは何をイメージするでしょうか?
信号機の黄色、小学生の通学用の帽子、工事現場の人たちが身につける安全ベストやヘルメット、駅のホームで目にする点字ブロックなど、人の注意を喚起したいところで利用する印象が強い色です。
また、黄色と黒の縞模様もさまざまな場面で使われています。
人の目で感じられる光線を可視光線といいますが、その波長は約380~780nm(ナノメートル)で、波長の長い順に紫・青・緑・黄緑・黄・黄赤・赤となります。
その両端の外は紫外・赤外線で目に見えなくなりますが、ちょうど真ん中の580nmが黄色であり、いちばん目立つ色とされています。
【ポジティブな】イメージの黄色
黄色について、インドでは極楽浄土の道標の色、中国では古代から皇帝の色とされており、高貴な色、ポジティブな色という印象がありました。
日本では、奈良時代まで白・黒・赤・青の4色しか色の表現がなく、黄色は平安時代から使われ始めたといわれています。
【ネガティブな】イメージの黄色
一方、西洋では古代ギリシャ人やローマ人は神聖な色として捉えていましたが、中世以降は評価が一転し、キリストを裏切ったユダを指す色とされ、衰退・病気・憂鬱など、否定的な意味を持つようになります。
そのせいか、西欧では黄色を第一のナショナルカラーにする国は少なく、ドイツやスペインなどの国旗に使用されている黄色は、金色の代替色として使われたようです。
黄色のネガティブなイメージはなくなりつつある?
しかし、18世紀後半以降は、少しずつ明るく華やかな色として受け入れられるようになりました。
イギリスでは黄色は身を守る色として好まれ、アメリカに渡ると「黄色いリボン」に象徴されるように、愛する人の戦場での無事を祈り、帰還を願うシンボルとなりました。
日本では、1977(昭和52)年に公開された山田洋二監督の映画『幸福の黄色いハンカチ』の影響か、「幸せ=黄色」のイメージが定着しました。
翌年の1978(昭和53)年に始まった日本テレビ系列の『24時間テレビ 愛は地球を救う』では、黄色をイメージカラーとして使用し、チャリティを表す色にもなりました。
そして、この『ヒラメキ工房』のキーカラーも黄色です。
明るく光り輝くイメージのある黄色。読者の悩みがスッキリ解決してほしい!そういう思いを込めて、黄色をキーカラーに設定しています。
黄色について調べてみると、時代や地域によってイメージが異なることが分かります。
現在は、黄色はポジティブな意味で使われることが多くなりました。
見ているだけで、明るさや元気をもらえる素敵な色です。
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