「中綴じ」と「無線綴じ」の違いとは
製本の代表的な綴じ方に「中綴じ」と「無線綴じ」があります。
針金(ステッチ)留めをして製本するものが「中綴じ」であり、一般的には雑誌の製本に多く使われています。
一方、糊を使って製本するのが「無線綴じ」。子どもの頃におなじみの、テキストやドリルで多く見かけた製本方法ではないでしょうか。
このよく見る二つの製本方法ですが、たとえば、会社で新たに印刷物を作ろうとした際、「どの製本方法がいいんだろう?」と悩んだことはありませんか?
そんな方のために、今回は「中綴じ」と「無線綴じ」の違いと、それぞれのメリット・デメリットを解説しようと思います!
「中綴じ」のメリット
まず、「中綴じ」のメリットからご紹介します。
無線綴じと比べると、中綴じは比較的安価で作製することができます。
また、ページ数が少ない冊子に適した製本方法です。
無線綴じは糊を使って製本するため、どうしても糊の分だけ厚みが出ますが、中綴じは針金で留めるだけなので厚みがでず、すっきりとした仕上りになります。
「中綴じ」のデメリット
続いて「中綴じ」のデメリットです。
中綴じは図のように、二つ折りにした紙からできるため、4の倍数のページでなければ作成することができません。半端な数字があると中央部分で針金留めができないため、抜け落ちてしまいます。
(※一部のページに片観音折りを使うことで、4の倍数じゃないページ数にもできます。が、基本は4の倍数と覚えてください。)
また、ページ数が多すぎると針金が通らず、中綴じ製本ができないことがあるので注意しましょう。紙の厚さにもよりますが、ページ数が40ページを超えると要注意です。
さらに、ページ数が増えれば増えるほど、中央のページの紙面が小さくなる、というデメリットもあります。
※詳しくはこちらをご覧ください!
「無線綴じ」のメリット
一方、「無線綴じ」は糊で製本するため、中綴じのように4の倍数のページ数でなくとも製本が可能です。
また、ページ数が多いものは中綴じよりも無線綴じがオススメです。
糊を使って厚みのある冊子を作れるため、ページ数によっては背表紙に文字を入れることができます。
本棚などにしまっておくようなマニュアルやカタログは、背表紙に文字を入れられる無線綴じがオススメです。
「無線綴じ」のデメリット
「無線綴じ」にもデメリットはあります。
それは、無線綴じは中綴じと比較すると、若干コストが高くなることです。
また、糊でしっかり接着して製本するため、喉元までページを開くことができず、見開きの絵柄を載せるのに向いていません。
ただし、ページ数の多い冊子でもPUR製本(糊の部分にPUR系のホットメルト接着剤を使用した製本)などの製本方法を使って、無線綴じでもページの開きをよくすることができます。
※PUR製本についてはこちらをご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した事例は、それぞれの製本方法の一例です。
当社では、使用用途や場面にあった印刷・製本仕様からご提案いたします。
印刷物の作製でお悩みの方はぜひ、ご連絡ください!
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