大晦日といえば、やはり紅白歌合戦。
日本は昔から慶事のときには紅白の配色が使われてきました。紅(赤)は 「喜び」 を意味し、白は「始まり」を意味するといわれています。
紅白は日本の国旗の色でもあり、年末の紅白歌合戦や運動会に代表されるように、対抗する2色でもあります。
今回は、力強いエネルギーを感じる紅色と、清々しさ・新しさを感じる白色の配色の歴史を調べてみました。
日本の色の起源と紅白のルーツ
日本の色の起源を探ってみると、大昔日本には色彩を表す言葉はなく、光の感覚を表す「明」、「暗」、「顕」、「漠」の4つの言葉しかありませんでした。
やがて明は赤(黄色を含む)、暗は黒、顕は白、漠は青(緑を含む)を表すようになったといわれています。その4色の中でも白は最初に存在した色で、赤は古代より祭祀的な意味合いが強い色とされてきました。
紅白のルーツは平安時代、紅旗の平氏、白旗の源氏が戦った源平合戦だといわれていますが、平氏が赤を選んだ理由は平安貴族が尊び好む色だったためとか、中国の影響があったから、という説があります。
それに対抗した源氏は、当然敵と味方を区別するために、黒・白・青の中から神聖な神を表す色として白を選んだことになります。白が主君への忠誠を誓う潔白を表す色、武士たちの心意気を象徴する色であることから白旗を選んだ、という説もあります。
紅白帽の起源
紅白といえば、紅白幕、紅白餅・饅頭、運動会の紅白(赤白)帽などが思い浮かびますが、誰もが被ったことのあるリバーシブルの紅白帽の起源は1955(昭和30)年頃。
意外にも帽子を発明したのは、戦前は落語家、戦後は喜劇役者として一時代を築いた柳家金語楼。発明家としても知られており、爪楊枝の頭の切り込みを箸置きに使うアイデアを実用新案登録したことでも有名です。作家、陶芸家としても活躍されていることから、マルチクリエイターの先駆けのような人でした。
紅白の水引
祝儀や贈答品などにつける紅白の水引の起源は古く、推古朝時代。遣隋使として派遣された小野妹子が持ち帰った貢ぎ物に紅白の麻紐が結ばれており、そこから宮廷への献上品に紅白の紐を使う習慣になったという説があります。
室町時代には麻紐に代わって和紙を紙縒状にして糊水を引いた水引を使うようになったといわれています。
ちなみに、波長の長い紅と明度の高い白の組み合わせは、人の視覚にとって最もインパクトの強い配色であり、心理的にも「ハレ」の状態にふさわしい配色といえます。
紅白について考えてみると、いろいろな歴史が見えてきて面白いですね。
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