「サムネイル」は、英語で親指(Thumb)の爪(Nail)という意味ですが、欧米では童話「親指トム」や「親指姫」などが存在するように、「親指 = 小さいもの」というイメージが定着しているようです。
IT用語のサムネイルとは
その親指よりさらに小さい、「親指の爪ほどの大きさ」という意味の「サムネイル」は、IT用語では多数の画像や文書ファイルを一覧表示するために、本来のサイズより大幅に縮小された画像データのことを言います。
大きなファイルを開かなくてもどんな画像や内容なのかがひと目でわるように縮小画像で見せることを「サムネイル表示」と言います。
一般的なブログサービスや画像系のSNSなどには、アップロードした画像を縮小して「サムネイル」を自動作成する機能が装備されていることが多く、インターネットのさまざまな場面で「サムネイル」が使われています。
もちろんスマートフォンの写真保存をするアルバムなど、私たちはさまざまな場面で、「サムネイル」の利便性の恩恵を受けているわけです。
デザインにおけるサムネイルとは
その「サムネイル」は、コンピュータ普及以前ではグラフィックデザインや広告制作におけるデザインの前段階のアイディアスケッチを指す言葉として使われていました。
紙面デザインやレイアウトを考えるときに、複数の案を手描きでいろいろ描きなぐるメモ書きのようなものです。
もちろん、今でも「サムネイル」はデザインに必要な作業ですし、グラフィックだけでなく他の分野のクリエーションでも、欠かすことができない大切な作業と言えます。
基本的には誰かに見せるわけでなく、自分が検討するために描くものなので描き方は自由です。
人が見たらノートの隅に描くいたずら描きのようにも見えるかもしれませんが、情報と素材を整理し、集中力をアップしてアイディアを膨らませることが目的のため、丁寧に描く必要はありません。
描いているうちにアイディアがどんどん膨らんできたり、まったく違った方向のアイディアがひらめくこともあります。
使用する用紙は白い紙であれば何でもよいのですが、個人的には汎用デザイン用紙「PMパッド」がおすすめ。
筆記用具も鉛筆やボールペン、サインペンなど、自分のタッチに合わせて選べばOKです。
思考を中断させないために、消しゴムは使わず、ディテールを追わず、素早く描くのがコツです。
手描きというアナログな作業と、コンピュータの便利ツールが同じ名前の「サムネイル」というのもなんだか不思議な話ですが、印刷会社の制作スタッフ含め、クリエイティブな作業をする際は「サムネイル」作業の重要性を常に念頭に置いておきたいものです。
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