少し先のことと思っていましたが、東京の「展示会場問題」が心配になってきました。
それは、東京オリンピック・パラリンピック準備期間に、「東京ビッグサイト(東京国際展示場)」や「幕張メッセ」といった大規模展示会場が長期的に利用できなくなってしまうという問題。
新たに改造する部分も含めて、報道機関の拠点となる「メディアセンター」としての利用が決まっている「東京ビッグサイト」は、2019年4月から2020年11月までの20か月もの長期にわたって利用不能になります。
競技場としての使用が予定されている「幕張メッセ」についても利用不能期間6か月程度が予定されています。
展示場は他にないのか?
東京エリアにある大きな展示会場は「東京ビッグサイト」が9万3,000㎡(拡張工事中)、「幕張メッセ」が7万2,000㎡。その次となると「パシフィコ横浜」の2万㎡であることから大規模な展示会はこの2会場以外では開催が不可能ともいえます。ちなみに世界の主要都市にはコンベンション施設(展示会場)があるのが普通ですが、世界のコンベンション施設面積ランキングではドイツのハノーファー国際見本市会場が総面積49万8,000㎡でトップ。東京ビッグサイトは73位、幕張メッセは88位と、東京のビジネス規模に対し展示会場は慢性的に不足しているのが現実です。
展示会場問題で影響を受けるのは?
2015年の東京ビックサイトにおける展示会利用件数は302件、来場者数は1,605万人と発表されています。例えば20か月の間に利用不能となる催しとしては、東京モーターショー、東京ゲームショー、東京おもちゃショーなどが各2回、漫画やアニメの愛好家が同人誌などを持ち寄るコミックマーケット(通称コミケ)や、東京インターナショナル・ギフトショーなどが各3回あり、これらの展示会が中止や別会場での開催を余儀なくされることになりそうです。他にも、新製品を発表したり、商談の機会を得たりする、さまざまな業界の企業向けビジネスショーなどは、この期間どうなるのでしょう。
何か解決方法はあるのか?
この期間の展示会は、東京ビッグサイトや幕張メッセに代わる他の会場での開催が考えられますが、大きなネックになるのは、会場の広さと集客できる場所にあるかということ。関係者や参加者のための宿泊施設や交通機関の十分な対応も必要となります。仮に展示会の開催中止が相次ぐと経済に与える影響は大きいと思います。
一般社団法人日本展示協会では、「東京オリンピックで展示会中止の恐れ 署名募集中!」の特設サイトを設け、署名を受け付けています。当社も毎年のように、業務に関連した展示会に出展することもありますので、この先どうなるのか見守っていきたいと思います。