こんにちは。営業部のカワカミです。
ヒラメキ工房編集部から、「これまで作った製品のなかで苦労したもの、また、それをどう乗り切ってきたのかを記事にしてください!」という無理難題の依頼を受け、なかなか苦しんでいます。
当社の会長は、印刷加工した製品をよく【作品】と表現します。
現在、デザインはコンピュータによるDTPがスタンダードになり、印刷機械も標準化され、どこでも同じような印刷物ができるようになりました。
そのような中で【作品】と呼べるようなものを作り上げるには、やはり製造を含め現場が一体となった工夫とチャレンジが必要となります。
今回は、そんな【作品】を作るために苦労したこと、また、それをどう乗り切ったのかをご紹介しようと思います。
苦労した印刷物①「布地にカラー印刷」
最初に紹介するのは、「布地にカラー印刷」をした事例です。(さっそく紙モノではありませんが…)
以前、某有名ファッションデザイナーの方から「ファッションショー用の服に使う布地に、カラー印刷をしたい!」という依頼を受けたことがあります。
生地は当然カットされておらず、印刷機に入っていく状態にはなっていません。
あの手この手の工夫が必要になります。
そこでどうやったのかというと、「生地を手切りして、そのサイズより大きく厚めな紙に1枚1枚セロテープで貼って固定し、印刷機に通す」ということを行いました。
多少のズレはデザイナーが縫製する段階で処理できるという助言もあり、このやり方で色校正、本番印刷を乗り切りました。
かなり特殊なケースでしたが、結果としてデザイナーからは喜ばれ、ショーも成功したという出来事です。
苦労した印刷物②「低価格で豪華に見せたい」
クリスマスシーズンになると「ディスプレイや販促用印刷物を、それなりの低価格で豪華に見せたい」という相談が必ず来ます。
その中には、印刷物は2D ですが「3Dっぽく見せたい」というようなご要望もあります。
対応としては、箔を押したり、シルクの印刷をしたり、空押しをしたり、といった工夫するのですが、仕上がった状態が要望とマッチしているかは、やはりお客さまのブランドや商品を理解していることが基本になってきます。
凝ったあげくに下品な仕上がりになってしまう、ということも起こりうるからです。
それでは逆効果になってしまいます。
そのためにも、お客さまからの要望をただ受けて仕事をこなすのではなく、お客さまのことを深く知るための綿密な打ち合わせや関係づくりが大切だと感じます。
ちなみに当社では、実際に印刷物を3D化させる「ポップアップカード」の製造を行ったりしています。
▼ポップアップカード制作事例を一挙紹介!驚きと感動を届けよう!
こちらは設計や製造にそれなりに時間を要し多くの人が関わるため、「安価で豪華に」といった要望にはなかなかお応えできませんが、印刷物にインパクトを持たせたいときにはオススメです。
その他、今回紹介した加工方法についてもこのヒラメキ工房で紹介しています。
「印刷物を豪華に見せたい!」といった時は、これらの加工を考えてみてください。
▼冬の店舗装飾にオススメ!特別な紙モノアイテムで店頭の飾り付けを!
▼【箔押し加工とは】箔の種類や特徴・注意点まで、一歩踏み込んで解説!
苦労した印刷物③「写真の再現性を高めたい」
最後に紹介するのは、印刷会社の永遠のテーマでもある「写真の再現性を高めたい、高い製品なのでお金が多少かかっても良い!」というようなご依頼です。
高精細印刷をすれば解決かと思いきや、「高精細印刷の変なリアル感はちょっと…」という要望を仰る方もいらっしゃいます。
そこで当社はどう対応したかというと、補色(プロセス4色では再現できない色を補う別の色)やプロセス4色の内の「CMY」を蛍光色に置き換えて印刷することで、お客さまの要望に応えています。
実際、プロセス4色に蛍光色を加えるとどう色味が変わるのかは、こちらの記事で確認することができます。
▼特色印刷のこだわり!2021年暑中見舞いが完成しました!
蛍光色(蛍光インキ)を加えることで写真を鮮やかに表現できることから、写真の再現性を高めたい、という要望で使ったりしている方法です。
【作品】と呼べるような製品を作るには
以上が、「これまでに苦労して作った印刷物3選」でした。
印刷会社の視点でいろいろお話しましたが、これらを実現させるには印刷会社の工夫はもちろん、お客さまの協力も必要になります。
「どういうものにしたいのかを具体的に伝えてくれること」
「校正や試作品に対して忌憚のない意見をくれること」
そして、「着地点(前向きな妥協点)を定めること」
これらが私たちにとっては大切な要素です。
予算と時間が決まっている中で100%理想のものを作るのは、難しい部分があるのも本音です。
今はネット印刷で嘘のように安い価格で印刷物が作れる時代です。
ただ、そこにはノウハウの蓄積は無く、単なる生産と販売になっているように思います。
お客さまの多種多様な要望に応えていくことで、蓄積されたノウハウの厚みがその会社の【対応力】になっていきます。
予算を確保しつつ(ここは大事です笑)無理難題を投げかけてもらえば、当社はその期待にちゃんとお応えします!
印刷物でお困りごとがありましたら、ぜひ当社にご相談ください。
〈この記事を読んだ方にオススメ!〉
▼【印刷物の退色】その仕組みと退色を防ぐ方法をご紹介
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