オペークインキをご存じですか?
皆さんは「オペークインキ」という言葉をご存じでしょうか?
オペーク(opaque)とは「不透明な」という意味で、オペークインキは文字通り、「不透明なインキ」のことを指します。(ここでいうインキとは、印刷で使うインキのことです)
そもそも一般的なインキであるプロセスカラー(CMYK)は不透明ではありません。印刷はCMYKの4色を重ねて絵柄を表現するため、インキが不透明だと色が混ざりませんよね。
では、なぜ「不透明なインキ」が存在しているのでしょうか?
オペークインキはなぜ生まれた?
その理由は、印刷がDTP化される以前のアナログ工程にあります。
当時、写真製版で使用していたネガフィルムには、小さな穴(ピンホール)が発生してしまうことがありました。
このピンホールをそのままにして次の工程に進むと、印刷に支障が出てしまうため、不透明なオペークインキでピンホールを塗りつぶして光を通さないようにしていました。
これが、オペークインキの本来の使用用途でした。
しかし、現在の印刷業界はデジタル化が進み、このようなアナログ修正は不要になりました。
それでは、オペークインキは現代の印刷現場では使わなくなってしまったのでしょうか?
オペークインキは今も活躍中!
オペークインキは、今も印刷現場でしっかり活躍しています!
現在の主な用途は、オフセット印刷の特色インキとしての使用です。
オペークインキ、特に「オペークホワイト」は、色の濃い紙に印刷するときに下地として使うことで、上に乗せる色をきれいに発色させることができます。
例えば、クラフト紙などの濃い紙に通常のCMYKで印刷すると、紙の色が影響してインキがきれいに発色せず、可読性・デザイン性が損なわれることがあります。
そんな時に、白い下地としてオペークホワイトを使うことで、紙の色に負けずに鮮やかな色表現が可能になります。
作品事例
映画「かもめ食堂」パンフレット

こちらは当社で制作した、映画『かもめ食堂』のパンフレットです。

クラフト紙にオペークホワイトを2度刷りした上に、スミやシアンのインキを重ねています。
その結果、クラフト紙でも色が美しく発色し、作品の世界観に合った仕上がりになりました。
個人的には、旅行タグの部分がとてもかわいくて、お気に入りの一冊です。
野毛印刷社「暑中見舞い」

当社の暑中見舞いは、2年連続で「SPECIALITIES」というメタリック調の特殊紙を使用しました。

「SPECIALITIES」は全面が輝いている紙のため、文字や絵柄などのしっかりと見せたいところはオペークホワイトを引いて視認性を高めています。
一方で、紙のキラキラを活かしたい箇所は、オペークホワイトを用いず、海の透明感や水面の輝きを表現しました。
オペークインキでデザインの幅はもっと広がる!
オペークホワイトを使うことで、
・濃い色紙への印刷
・紙の特徴を活かしたデザイン
・可読性を確保した表現
など、さまざまな印刷表現が可能になります。
「オペークホワイトを使った印刷がしたい」
「オペークホワイトを活かしたデザインを提案してほしい」
といったご相談も承っています。
当社にはデザイナーも在籍していますので、デザインから印刷までワンストップでご提案が可能です。
ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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