オリンピックの経済効果について考えてみました

コラム

韓国の平昌で開催されるオリンピック冬季競技大会の開幕が目前に迫ってきました。
当然ですが、この大会についても開催による経済効果が掲げられているなか、実際にはだいぶ苦戦をしているようなニュースが流れていましたし、もともと冬のオリンピックは競技人口が少ない、規模が小さいなどの理由で夏季五輪と比べて経済効果は小さいといわれています。平昌という都市を認知されることによるマーケティング効果あると思いますがいかがでしょうか。

経済効果って何?

さて、冬季五輪が終わるといよいよ2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた動きが活発になっていくと思いますが、オリンピックの経済効果っていったい何なのでしょうか。東京の場合、約7兆円から32兆円までさまざまな試算が飛び交っていて基準がよくわからないですね。
オリンピックの収入は、TV放映権料金やスポンサー収入、入場料収入、記念グッズの販売が主な内容となっていますが、大会収支とは別に五輪施設の建設費や観客・旅行者の宿泊・飲食費など、1次波及効果としてオリンピック特需により増えた需要、2次波及効果としてオリンピック関連産業の労働者による消費拡大なども、オリンピックの経済効果といわれています。
しかも、それだけでなく、交通インフラの整備やバリアフリー対策、スポーツ人口の増加、障がい者スポーツの振興、開催前、開催後も含めたインバウンド効果など、加えはじめたらきりがないくらいに拡大していくのが経済効果のようです。
経済効果という概念自体がとてもあいまいということになりますね。
オリンピックの負の経済効果を示した2004年のギリシャ五輪や、当初の予測を大きく上回ったとされる2012年のロンドン五輪は極端かもしれませんが、近年のオリンピック開催地の経済効果は、予測を大幅に裏切るような傾向になっているように思えます。

インバウンド大国をめざす日本

当然ですが、東京オリンピックの経済効果には大きな期待がかかっています。しかし、それ以上に五輪後にどのような日本になっていくかに期待したい。オリンピックを中心に東京、日本へ、世界中の人々の目が集まることで、日本が誇る文化や、質の高い日本の製品、観光スポット、おもてなしの心など、日本のいいところを世界中にたくさん知ってもらい、「日本ファン」をいかに増やせるかが鍵になるのではないでしょうか。
政府は2020年の訪日外国人観光客4,000万人を目標に掲げています。しかし、2016年時の世界各国、地域の外国人訪問者数ランキング(日本政府観光局)では、8,000万人(年間)を超えるフランスを筆頭に、米国、スペイン、中国、イタリアの順。日本は16位でまだ観光立国には程遠く、アジアの中でも中国、トルコ、タイ、マレーシア、香港に次ぐ位置。
フランスに少しでも近づくように、国を挙げてインバウンド対策に努めていかなければならないと思います。その機会として東京オリンピックは大きな役目を果たすでしょう。

TAG:時事 

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