「私」の2018年映画ベスト5―第5位~4位―

コラム

既に新年感も薄くなってきた中、こんな問いかけもどうかと思いますが皆さん、2018年はいかがお過ごしでしたか?
私はと言いますと誰に求められたわけでもないのに、こんなタイトルの記事を書いていることから想像がつくと思いますが、一年の中でプライベートに関しては映画館で過ごすことが例年通り多い一年でした。
と言いましても、やはりですね、社会人になると学生の時ほど時間に余裕があるわけでなし、それでもってまた、プライベートのすべてを映画に割けるわけでもないじゃないですか。
だからベストなどと偉そうに言っても旧作のリマスター2本も含めて劇場鑑賞84本という、ベストを書くにはおこがましい本数からのチョイスになります。
またあくまで「私」がよいと思ったものなので、中には、「それは、ねえだろ!」なんて思われることもあるかもしれませんが、そこは「そういう考えの人間もいるのだな」と許してらえれば幸いです。
ネタバレに関しては極力しない方向で書いているつもりですが、これから観ようと思っている作品で前情報なしで観たいという方はその作品は飛ばして読んでもらった方がよいと思います。

それでは早速、まいりましょう。

第五位「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」

あらすじ

舞台はアメリカですが、主人公はパキスタン出身でコメディアンのクメイル。
クメイルにはエミリーというアメリカ人の恋人がいますが、同郷の花嫁しか認めない母親に言われるがまま見合いを続けており、それがエミリーにバレて破局。さらにそのエミリーが破局数日後に原因不明の昏睡状態になり、駆けつけた病院では二人の破局を知っているエミリーの両親がいて…というお話。

みどころ

この作品、実体験をもとにクメイルさんとエミリーさんの2人が脚本を書いており、主演に関してはクメイルさん本人が演じています。小規模な作品でもともとは全米5館で始まったのですが、2,600館まで広まった大ヒット作です。日本では通常公開から1か月が劇場でかかる目安で当たればもっと長い期間続くのですが、この作品、私の観た劇場では3週間で終わったので日本では当たらなかったどころか余程入っていなかったのだと思います。
ムスリムである主人公とアメリカ人の彼女(とその両親)が、お互いの文化の壁を越えて理解しあうという作品の内容は、確かに現代アメリカでタイムリーな内容なのは想像に難くないと思いますが、私はその過程が「文化の壁を越える」なんていう大きな話だけでなく日常、誰もが直面する問題に通じることにグッときました。
この作品、とにかく、問題解決のために行われることは面と向かった「話合い」なんです。
それでこの世界のすべての問題が解決できるわけではないですが、日常生活においては基本的にちゃんと面と向かって話合いを行っていけば解決できることが多いわけで、都合のよい展開はなしに、ちゃんと向かい合って彼女、彼女の両親、自身の家族と話合って問題を解決していく姿勢にリアリティと誠実さが感じられる作品でした。

特に彼女の両親との遭遇。文化的な背景はあるにしても見合いをしていることを隠していたのは自分なわけで、しかも破局の直後に昏睡状態になったとなれば破局のショックも昏睡の原因の一部と取られてもしょうがない状況ですから、当然コミュニケートそのものを拒絶されるわけです。それを根気よくコミュニケーションできる状況に運んでいく行動は日常生活で直面しうる状況の中で最高クラスに勇気のある行動だなと頭が下がる思いでした。

まじめくさった感想で、しかも重そうな内容に見えますが、しかしこの作品はコメディです。
社会では理不尽な局面なんていくらでも出くわしますし、そんな状況に出くわしちょっと心がくさくさしてる時に観るのがよいんじゃないかと思う作品です。

第四位「アンダー・ザ・シルバーレイク」

あらすじ

ハリウッドの隣、シルバーレイクで成功を夢見ながら、しかし何もせずに家賃滞納で大家から追い出されそうな主人公サム。そんなサムが一目惚れした隣に住む美女サラが失踪し、部屋に残された奇妙な記号から、陰謀の匂いを嗅ぎ取ったサムが大富豪や映画プロデューサーの失踪、真夜中に出現するという謎の犬殺し、街を操る裏組織の存在という噂をたどりながら陰謀を解き明かしサラを見つけようとする話。

みどころ

あらすじを書きましたが、謎解きを楽しむ万人向きミステリーでは決してありません。

正直「私」のベストというならこれが1位といってもおかしくはないくらいパーソナルな作品で感想をどう書こうか一番迷う作品でもあります。

今はそうでもないようなのですがシルバーレイクとはもともとハリウッドでの成功を夢見る若者達が住んでいた地域のことでサムもおそらくその世界を夢見ているわけです。ただ、その世界に属す事を夢見ているだけで特に何をしているわけでもありません。そんな彼が一目惚れしたサラに現を抜かしてどんどん下に下に(アンダー)と落ち込んでいきます。

私は就職する前に数年、プロの役者を目指した期間があります。結局、挫折した訳で今こうしてこの原稿を書いているわけですが、今でも時折「あの時、私はもっと頑張れたんじゃないだろうか?」なんて思う時もあるわけです。もちろん、自身の中で納得して出した結論なので、そんな疑問がふっとわくこと自体がナンセンスなのは自分でもわかっています。

しかし今とは違ったかもしれない自分を夢想した時にやはり好きな世界に属している自分を考えずにはいられないのでしょう。と考えた時にサムの姿は私にとって他人ごとではないのです。サイケな映像も相まって、この作品を観終わった後もふとした時に、気づくとこの作品のことを思い出している自分がいる2018年最も私に「こびりついた」作品でした。

ちなみにこの作品はよく「ラ・ラ・ランド」という作品と比較されます。

第89回アカデミー賞で13部門ノミネートされ、監督賞、主演女優賞など含め6部門を受賞した作品です。ハリウッドで女優を目指すヒロインとジャズピアニストを目指す男の恋愛話です。作中グリフィス天文台でデートする二人が宙を舞ういうシーンがあるのですが、「アンダー・ザ・シルバーレイク」では同じグリフィス天文台から、文字通り地下に降りていくシーンがありラ・ラ・ランドを意識していることが伺えます。

配役も意地悪でアンダー・ザ・シルバーレイクの主演のアンドリュー・ガーフィールドとラ・ラ・ラ・ランドの主演女優のエマ・ストーンは、「アメイジング・スパイダーマン」という作品の主人公カップルを演じたのをきっかけに実生活でもカップルでした。

長くなるので詳しくは書きませんが「アメイジング・スパイダーマン」シリーズは大人の事情で打ち切り、それがきっかけではないですが二人も別れています。

その後、エマ・ストーンの方は前述した通り「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞女優になっており、真逆ともいえる「アンダー・ザ・シルバーレイク」の主演に元カレであるアンドリュー・ガーフィールドを配役したわけです。

「アンダー・ザ・シルバーレイク」自体は前述のとおり、誰しもにはおすすめしません。

ただ、これを読んでくださった方で「その内容なら自分にも合うかも」とか「ラ・ラ・ランドが好きだから比べてみようかな」なんて思った方がいたらご覧になってみてはいかがでしょう。

また「アンダー・ザ・シルバーレイク」に関しては映画評論家の町山智浩氏の解説で細かいことがいろいろと分かります。私の上記の情報はほとんどそこから来ているものです。YouTubeで観ることができますので作品をご覧になる方はそちらも併せて観てみるのもおすすめします。

アンドリュー・ガーフィールドに関してはアカデミー賞を取ってはいませんが、ノミネートはされているよい役者で本作以外に藤沢周平原作の実写化「沈黙 -サイレンス-」や太平洋戦争の沖縄戦前田高地の戦いを描いた「ハクソー・リッジ」などよい作品がありおすすめです。

 

さて、長くなってしまいましたので、今回はここまで、第3位~第1位は次回ご紹介致します!
お楽しみに!

TAG:映画 

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