「ジャンプ率」とは
「ジャンプ率」は簡単に説明すると、印刷物を構成する要素の文字とビジュアルの大きさの比率や対比のこと。
ページものでも1枚ものでも印刷物には文字情報があり、その情報を読んでもらうことで伝達する役目を果たします。しっかり伝えてきちんと読んでもらうためには、例えばヘッドコピーやサブコピー、あるいは大見出し、中見出し、小見出し、本文、キャプション、注釈など、ある程度大小をつけて見せる必要があります。
一方ビジュアルは、視覚的な訴求効果を狙うものであり、写真、イラストレーション、図などがあり、こちらも伝えるべき内容にふさわしいバランスを考えた上で大小を決めていかなければなりません。印刷物の制作にあたっては、受け手にしっかりと情報が伝わるように、効果的なコミュニケーション手法が重要となります。
デザインには「メリハリ」が大切
ここで大切なのが「メリハリ」の付け方。受け手を十分に意識したデザインで、重要なのが「ジャンプ率」です。文字やビジュアルに大小をつけずほぼ同サイズにすれば、動きがなくおとなしすぎて、訴求力に欠けますし、すべてを大きくしてしまうと、それはそれで動きがなくなり、乱雑な紙面になります。「ジャンプ率」の大きいものほど動きや活気が紙面にあふれ、「ジャンプ率」が小さければ落ち着いた静かな紙面になります。
受け手の立場に立った伝え方の工夫
より効果的な印刷物を作成するためには、その印刷物の内容や目的、性格などを把握し、安定した狭い範囲の受け手を対象としているのか、不特定多数の受け手を想定しているのか、年齢的にはどのくらいの層なのか、男性が多いのか女性が多いのかなどにも配慮し、受け手の立場に立った、伝えるための工夫を踏まえた「ジャンプ率」が大切です。しかし、単純に大小だけでは語れないのが「ジャンプ率」ですし、たいていのデザイナーは、感覚的に「ジャンプ率」を決めていることの方が多いのも事実です。