平成30年の間に「よく売れた曲、よく聞かれた曲、よく歌われた曲」を調べてみた

令和の時代になって、平成の30年を振り返るいろいろな企画を目にする機会が増えています。
先日、JASRAC（日本音楽著作権協会）から発表されたのは、平成元年から31年までの「著作権使用料分配額トップ100」。

ご存知のように音楽著作権は知的財産権の一つ。作詞・作曲などの著作者が無断で楽曲を利用されることを禁止できる権利です。

著作権使用料には、CD（カセット、レコード）、配信、ビデオ（DVD）、演奏会等、社交場、カラオケ、放送、CMなどさまざまな利用分野があって、今回の結果を見ると、単にCDが売れたとか、配信が多いとかだけでなく、DVDの売上が大きいものや、カラオケで歌われ続けているなど、曲による特徴が出ていてなかなか面白いのです。

30年の間に当初著作権使用料の45%以上を占めていたCDなどのパッケージ商品が9.4%までに激変し、音楽配信が14.3%まで伸びています。2004（平成16）年に「ダウンロード」という黒船が登場。MP3により、インターネット経由で音楽データを送受信できるようになり、音楽データを自身のPCや携帯電話に保存できるようになりました。

また、今回の著作権使用料分配額トップ100には、昭和の時代に発売された曲が半数近い45曲含まれていました。ちょっと意外でしたが、いい曲はカバーでも歌い継がれ、カラオケの定番として愛され、いまだに高い分配額を維持していることがよくわかりました。

平成元年から31年までの著作権使用料分配額トップ10

では早速、ランキングをチェックしてみましょう。

1位　SMAP「世界に一つだけの花」（作詞・作曲：槇原敬之）

2002（平成14）年に発売されたアルバム「SMAP 015/Drink! Smap!」に収録され、後にドラマの主題歌として使用されたのを機にシングル化され、ロングヒットとなりました。

2位　五木ひろし・木の実ナナ「居酒屋」（作詞：阿久悠、作曲：大野克夫）

1982年（昭和57）年に発売されたデュエット曲。夜のカラオケの定番デュエット曲。

3位　アニメ「エヴァンゲリオン」のBGM（作曲：鷺巣詩郎）

映画「シン・ゴジラ」でも使われたこの曲はビデオが77.3%と圧倒的。

4位　美空ひばり「川の流れのように」（作詞：秋元康、作曲：見岳章）

平成の改元から3日後、1989（平成元）年1月11日に発売された美空ひばりの遺作。平成のスタートを象徴するこの曲は、CMに何度も使われ、たくさんの歌手がカバー。NHKの「20世紀の日本人を感動させた歌」の第1位になりました。

5位　高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」（作詞：及川眠子、作曲：佐藤英敏）

1995（平成7）年に発売された、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニング曲。常にカラオケで歌われる曲の年間ランキングの上位ということで、このくらいの位置は当然でしょう。

6位　都はるみ・宮崎雅「ふたりの大阪」（作詞：吉岡治、作曲：市川昭介）

1981（昭和56）年に発売されたデュエット曲。曲を知らなくても何となく歌えるというやさしさなのか、カラオケで歌い続けられています。

7位　尾崎豊「I LOVE YOU」（作詞・作曲：尾崎豊）

1983（昭和58）年にリリースされた尾崎豊のファースト・アルバム「十七歳の地図」に収録された曲で、1991（平成3）年にシングル・カット。こちらも映画、ドラマ、CMで何度も使用されたほか、カバーバージョンの多さで納得のランクイン。

8位　吉幾三「酒よ」（作詞・作曲：吉幾三）

1988（昭和63）年、昭和最後の年の演歌。カラオケで歌う男性演歌の代表曲。ちなみに女性演歌の代表曲、石川さゆりの「天城越え」14位。

9位　長渕剛「乾杯」（作詞・作曲：長渕剛）

1980（昭和55）年にアルバム「乾杯」に収録された表題曲。1988（昭和63）年に再レコーディングされてシングル化。小学校の音楽の教科書にも載った長渕剛の代表曲。

10位　森山良子／BEGIN／夏川りみ「涙そうそう」（作詞：森山良子、作曲：BEGIN）

1998（平成10）年に森山良子がアルバム「TIME IS LONELY」に収録。2000（平成12）年にBEGINのシングルとして発売後、2001（平成13）年に夏川りみがカバーし大ヒット曲となりました。こちらも大勢のヴォーカリストがカバーしています。

平成元年から31年までの著作権使用料分配額トップ11～100

※作詞・作曲者名は省略

11位　浜圭介・桂銀淑「北空港」
12位　石原裕次郎「北の旅人」
13位　一青窈「ハナミズキ」
14位　石川さゆり「天城越え」
15位　安室奈美恵「CAN YOU CELEBERATE?」
16位　サザンオールスターズ「TSUNAMI」
17位　石原裕次郎・牧村旬子「銀座の恋の物語」
18位　テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」
19位　インストゥルメンタル「ルパン三世のテーマ’78」
20位　DREAMS COME TRUE「未来予想図Ⅱ」

21位　ドリーミング「アンパンマンのマーチ」
22位　GReeeeN「キセキ」
23位　山口百恵「いい日旅立ち」
24位　MISIA「Everything」
25位　橋幸夫・安倍里葎子「今夜は離さない」
26位　ZOOE／XILE「Choo Choo TRAIN」
27位　かぐや姫／イルカ「なごり雪」
28位　サザンオールスターズ「いとしのエリー」
29位　ピンク・レディー「UFO」
30位　Every Little Thing「Time goes by」

31位　美空ひばり「みだれ髪」
32位　川中美幸「二輪草」
33位　DREAMS COME TRUE「LOVE LOVE LOVE」
34位　中山美穂 & WANDS「世界中の誰よりきっと」
35位　藤谷美和子・大内義昭「愛が生まれた日」
36位　赤い鳥「翼をください」
37位　SMAP「夜空ノムコウ」
38位　GLAY「HOWEVER」
39位　ゲームBGM「ポケットモンスターBGM」
40位　福山雅治「桜坂」

41位　テレサ・テン「つぐない」
42位　宇多田ヒカル「First Love」
43位　前川陽子／倖田來未「キューティーハニー」
44位　美空ひばり「愛燦燦」
45位　大川栄策「さざんかの宿」
46位　今井美樹「PRIDE」
47位　番組テーマ曲「ゲバゲバ90分!テーマ」
48位　石川さゆり「津軽海峡・冬景色」
49位　喜納昌吉「花」
50位　鳥羽一郎「兄弟船」

51位　中島みゆき「糸」
52位　米米CLUB「浪漫飛行」
53位　鈴木聖美 with Rats & Star「ロンリー・チャップリン」
54位 TVアニメBGM「起動戦士ガンダムBGM」
55位井上陽水「少年時代」
56位　山下達郎「クリスマス・イブ」
57位　モーニング娘。「LOVEマシーン」
58位　河島英五「酒と泪と男と女」
59位　浜崎あゆみ「SEASONS」
60位　松田聖子「赤いスイートピー」

61位　ゲーム音楽「ドラゴンクエスト序曲」
62位　スピッツ「チェリー」
63位　シャ乱Q「シングルベッド」
64位　Mr.Children「Tomorrow never knows」
65位　TVアニメBGM「ドラゴンボールZ　BGM」
66位　PRINCESS PRINCESS「M」
67位　MONGOL800「小さな恋のうた」
68位　サザンオールスターズ「真夏の果実」
69位　globe「DEPARTURES」
70位　SPEED「White Love」

71位　AKB48「ヘビーローテーション」
72位　PRINCESS PRINCESS「Diamond」
73位坂本九「上を向いて歩こう」
74位　AI「Story」
75位　宇多田ヒカル「Automatic」
76位　クリスタルキング「愛をとりもどせ!!」（アニメ「北斗の拳」オープニングテーマ）
77位　中島美嘉「雪の華」
78位　ゴダイゴ「銀河鉄道999」
79位　吉幾三「雪國」
80位　TVアニメBGM「名探偵コナンBGM」

81位　ORANGE RANGE「花」
82位　CHAGE & ASKA（現CHAGE and ASKA）「SAY YES」
83位　バブルカム・ブラザーズ／EXILE&倖田來未「WON’T BE LONG」
84位　長渕剛「とんぼ」
85位　千昌夫「北国の春」
86位　天童よしみ「珍島物語」
87位　YOU & THE EXPLOSION BAND（大野雄二）「ルパン三世のテーマ」
88位　岩崎良美「タッチ」
89位　笠置シヅ子「東京ブギウギ」
90位　スピッツ「ロビンソン」

91位　SMAP「らいおんハート」
92位　高橋洋子「魂のルフラン」
93位　THE BOOM「島唄」
94位　EXILE「Lovers Again」
95位　ヴィレッジ・シンガーズ／島谷ひとみ「亜麻色の髪の乙女」
96位　ささきいさお「宇宙戦艦ヤマト」
97位　小林明子「恋におちて-Fall in love-」
98位　藤井フミヤ「TRUE LOVE」
99位　山根康広「Get Along Together」
100位木下結子門／倉有希「ノラ」

出典：JASRAC（https://www.jasrac.or.jp/smt/release/19/1904_1.html ）

いかがでしたか？
平成という時代の特色を感じられたのではないでしょうか。令和はどのような音楽が人々に受け入れられるのか…。楽しみですね！