こんにちは。CS推進課のSです。
唐突ですが、皆さんは「色彩検定」というものをご存知でしょうか?
色彩検定とは
色彩検定とは、その名の通り色彩に関する幅広い知識や技能…言ってしまえば、色彩に関すること全般を学ぶことのできる検定です。
具体的に挙げますと、色の分類・表示(表記?)の仕方から、色名、色彩心理、配色理論。
更にそこから照明、環境設定、プロダクトデザインやファッション、ファッションの売り場、インテリア、エクステリア(建物の外観)…などなど、誇張表現でなく色に関わるものであれば何でも学べます。「楽しそうだな~」という楽観的な思考で色彩検定に興味を持った私は、インテリアやエクステリアのデザイン、配色、照明、素材まで教科書で解説されているのを見て、かなりびっくりしました。
照明はまだしも素材まで学ぶとは…。更に住宅の外観、周辺環境…??私が取得しようとしているのは“色彩”検定だよな…?と思ったのを覚えています。
ちなみに、色彩検定は文部科学省後援の公的資格(官庁や大臣が認定する資格のこと)でもあります。
色彩検定を取得するメリット
いろいろと(学ぶ内容にインパクトがあったり、国に認定されていたり)すごい資格である色彩検定。取得するとどんなメリットがあるの?と皆さん気になられているのではないでしょうか。
少し調べてみたところ、実際に受験された方が挙げていらっしゃるメリットは以下の通り。
① 就職、転職に活用できる。
② 理論的な配色提案ができる
③ 30年以上の実績、社会的認知度・信用がある
ほかにもいろいろな意見があったのですが、まとめるとこんな感じかと。
①、③は他の資格、検定にも言えることなので何となく納得していただけると思うのですが、②の「理論的な配色提案」とは?と思う方がほとんどなのではないでしょうか。
具体的にどんなことができるかと言いますと、経験則に基づいていたり、直感的な意見だったりではなく、理論的な提案・アドバイスができるようになるのです。
色彩検定の項目として色彩心理(色による心理効果、視覚効果、知覚的効果など)、色彩調和(配色技法、色相、トーン)、色彩効果(色の組み合わせ)などがあり、「配色にはどんな効果があるか」「色の組み合わせにはどんなイメージを想起させる効果があるか」といったことが学べます。
それにより、
「この配色、なんとなくよい感じじゃないですか?今までもこういった商品、ターゲットの場合、この組み合わせで多くの反響がありました」
ではなく、
「この色はこういう意味があり、こちらの色にはこういう意味があります。これらを組み合わせるとこういう効果があり、商品のターゲットに響く配色となります」
というような、根拠に基づいた提案ができるようになるのです(例文がフワフワしていて伝わりにくく申し訳ないです…)。とはいえ、文字だけだと何が何やらだと思いますので「どんなイメージの配色があるか?」という具体例を一部ご紹介しますね。
テキストに掲載されている配色イメージはこんな感じです。色として見てみると、「なるほど!」と思っていただけるのではないでしょうか?
参考『色彩検定 公式テキスト2級編-―配色イメージ』
参考『IROUSE – 色彩とイメージの情報サイト――データベース「PCCSトーンのイメージ・チャート」』(https://tee-room.info/color/index.html)
色彩検定はクリエイターでないと活かせない?
とはいえ、そういう知識とスキルが活かせるのはクリエイティブに携わる人だけなのでは?一般職には関係ない話じゃないか。という意見もあると思います。まったくもってその通りです。
これから述べることは極論なので、あまり鵜呑みにしないでほしいのですが、私もまた実際にクリエイティブな作業をする人間ではありません。なので、配色の提案やアドバイスなんてあまりしたことはありませんし、「色彩検定取ってよかったな~!」と強く感じたことは、正直あまり、ありません。
強いて取得してよかったと感じたことを挙げるなら、“身の回りのものの見方が変わった”ことでしょうか。
例えば商品パッケージで使われている色の組み合わせからターゲットを想像してみたり、服を選ぶときに習った配色技法を参考にしてみたり、店舗装飾やディスプレイ、商品陳列で習ったような配色がなされているとちょっとだけテンションが上がったり…。
基本的には、日常のふとしたシーンで「お!」と思ったり「習ったやつだ!」とワクワクしたりしていました。(資格を取得したのが学生時代だったので、尚更メリットらしいメリットを感じていないのかもしれません)
たったそれだけではあるのですが、それだけで街を出歩くのが楽しくなったことは事実です。
かといって、今の仕事の中で活かせていないのか?というと、そうでもありません。
まだ少ないものの、学んだ知識を使ってお客さまとお話したり、色の提案をしたりする機会がちょこちょこあります。これから更に、そういった知識を活かせるように頑張っていきたい所存です。閑話休題。
色彩検定に新設「UC級」
そんな日常に彩りを添えてくれた色彩検定ですが、最近ではテキストが改訂されたり、UC(色のユニバーサルデザイン)級なるものが新設されたりしたそう。
UCとは「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」のこと。
色彩の基礎知識をベースにしながら、色のユニバーサルデザインについての専門知識を深める内容となっているそうで、こちらは実際のお仕事で活かすことができそうな予感がしています。
個人的にはとてもとても気になるところ。しかし、2級を取得したのが5、6年前ですので色の知識をイチから勉強し直さなければ…と遠い目になっています。この記事を書くのに2級、3級のテキストを読み返してみたのですが、勉強した記憶がほぼなくなっていました。UC級のテキストだけでOK!そんなに難しくない!との意見もチラホラ見かけますが…勉強するに越したことはないですよね。
色彩検定についてまとめると
結論としましては「色彩の勉強はとても楽しい!!」です。言葉の通り世界の見方が変わります。どんな学問であれ、習ったもの・ことを実際に目にするとワクワクしませんか?
色彩検定は勉強した翌日、その日から「あ!これテキストで見たやつだ!」という体験ができます。なんといっても“色”はどこにでも溢れていますので。
「でも難しいんでしょ?」「どんな問題が出るの?」という方も少なからずいらっしゃると思います。
そんな皆さんは一度色彩検定公式ホームページをご覧になってみてください。色彩検定3~1級、UC級ともに問題の出題例などが掲載されています。「こんなことも学べるの?!」「そうなんだ!」と思ってもらえること間違いナシ。(色彩検定 公式HP ▶ https://www.aft.or.jp/)
いかがでしたでしょうか?思い入れのある検定ゆえ、少々長くなってしまいました。スミマセン。少しでも色彩検定の魅力が伝われば幸いです。では!!
※上記の内容は超個人的な意見となります。あまり鵜呑みになさらないでください。
「色」に関する記事はまだまだあります!こちらの記事もあわせてお読みください。
*赤にもいろいろ 赤色の赤はどんな色 ?
*隣の印刷は青く見える?色ブレってなに?なぜ起こる?