横浜国立大学で防災教育ワークショップを行いました!

課題解決 / 地域社会

横浜国立大学ワークショップの写真

2024年6月4日、横浜国立大学で「防災教育ワークショップ」を行いました。
参加した学生さんから貴重な意見をたくさんいただき、当社としてもとても学びのある時間になりました。

「印刷会社がワークショップ?しかも防災教育?」「なぜ横浜国大で?」
そう思われた方もいらっしゃると思います。

今回は、その「防災教育ワークショップ」のレポートをお届けします!
ぜひ最後までご覧ください。

野毛印刷と防災教育

株式会社野毛印刷社は、今年で創業76年をむかえる横浜の印刷会社です。
印刷会社の使命のひとつは“情報を人々に伝えること”。当社はその使命に基づき、防災の啓蒙活動に長年取り組んできました。

2019年からは横浜市消防局と協力して、防災絵本『みんな森シリーズ』の販売を開始するなど、子どもたちの防災教育に力を入れています。
絵本の読み聞かせ活動などを行う中で、より子どもたちに伝わる方法・コンテンツは何か、と考え続けてきました。

防災てらこやの写真

そこで、横浜国立大学 教育学部教授の金馬先生にご相談させていただいたところ、講義の時間を使って学生たちに絵本分析をしてもらう機会を設けていただきました。
学生にとっては、子どもたちにどう防災教育をするのか考えるきっかけになり、当社としては絵本やコンテンツの改善点を見つけるきっかけになります。

このような経緯で、横浜国立大学で「防災教育ワークショップ」を行うことになりました。

ワークショップの手法「OST」

今回の「防災教育ワークショップ」は、「OST」という手法を用いました。
OSTとは「オープンスペーステクノロジー」の略で、参加者が議論したいテーマを掲げて、同じくそのテーマで話し合いたいと思った人たちで集まって議論を進める方法です。

OSTで重要視されているのは「主体的な姿勢」。
時間内であれば途中で他のテーマに移っても良く、話し合うテーマや進捗は参加者自身に委ねられます。そこで衝突、混乱、カオスになってもOK!それを許す「安全な場所」が「オープンスペース」です。

今回はこのOSTを使って、防災絵本『みんな森シリーズ』について学生たちに議論をしてもらいました。

当日の講義の様子

当日は、横浜国立大学の金馬先生、芳賀先生、大学院生の皆さんのお力を借りながら、当社の木村が講師を務めました。

野毛印刷社代表 見山の挨拶

代表の見山から挨拶をさせていただいた後、この講義の概要を木村が説明し、ワークショップスタートです。

当社から教材として持って行ったのは、火災予防絵本の『みんな森の仲間とオオカミのサイレン』、風水害予防絵本の『みんな森の子供たちとアウル爺さん』、震災予防絵本の『みんな森の子どもたちとヤギおじさん』の3冊です。

絵本『みんな森シリーズ』

学生たちは、あらかじめこの3冊の中から1冊を選び、グループに分かれています。その各グループで議論したいテーマを挙げていきます。

議論テーマ

議論したいテーマが出揃ったところで、それぞれのテーマごとに分かれて議論スタートです!

学生たちは積極的に意見を交わし、各所で盛り上がりを見せていました。

議論を進める横浜国立大学の学生たち

自発的に議論を進められる学生のレベルの高さには驚きました。
グループの中で議論を先導する人がいたり紙にまとめていく人がいたりと、しっかりと役割分担がなされ、どのグループもスムーズに進行していたのが印象的でした。

約40分間と決められた時間が終わる頃には、議論の成果が各グループ1枚の紙にまとめ上げられていました。次は発表の時間です。

横浜国立大学ワークショップ発表の様子

絵本を読んで感じたことや、実際の子どもたちの生活に照らし合わせ、どう防災について教えればいいのかなど、さまざまなアイデアが盛り込まれていました。
絵本『みんな森シリーズ』の改善点も学生たちから出してもらい、当社もたくさん気付きを得ることができました。

発表の様子

最後は、『みんな森シリーズ』の絵を担当した福ヨシトモさんにも登壇いただき、子ども向けの絵を描く上で心がけていることや創作活動について語ってもらいました。

授業1コマ分という短い時間のため、少し工夫したOSTでしたが、このワークショップが防災教育について考えるきっかけとなり、学生たちの今後の実習や教育の場で活かしてくれたら嬉しいです。
実際、ワークショップの振り返りシートからも前向きな結果が得られています。「防災教育について、子どもたちに指導できる」と答えた学生はワークショップ前後で28.4%から88.3%に増加。最も「指導できない」と思っていた学生は16.7%から1.7%に減少しました。
学生のコメントからは、「防災教育についてはじめて考えた」「特に主催側がテーマを設定しなくても、今回の授業のように活発な議論が交わされるというのはすごく学びになった」など、予想以上のリアクションをいただきました。

当社はこれからも、さまざまなステークホルダーとともに、防災教育やコンテンツ制作に取り組んでいこうと思います。

 お問い合わせ

★防災絵本『みんな森シリーズ』はこちら

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