早速ですが「歩く提案書」という言葉をご存知ですか?
商談後も相手先の担当者から部署内へ、さらには上長、役員へと提案書が人から人へ1人で歩きまわってくれているイメージのことです。相手先で提案書が「新たな営業マン」として働いてくれているとも言えます。
では、どうやって「歩く提案書」を作ればいいのでしょうか。
答えはズバリ「読むだけで理解できる提案書を作る」です。
「そんなことは当たり前だよ」と声が聞こえてきそうですが、実はこれが難しいのです。
あまり気に留めていないかもしれませんが、商談時は、営業マンが必ず口頭で「補足」を加えています。提案書のわかりづらい部分を「ここの部分は~ですね」と補足しています。
つまり、提案書+「補足の説明」の2つで成立している状態です。
商談後は営業マンがいませんので、「補足の説明」が足りていませんし、出来ません。
提案先に残された提案書を、他の人に回覧しても、「内容がいまいちわからない」「別の人に渡す気にならない」などで、その場にとどまった『歩かない提案書』になってしまいます。
これではせっかくの提案がもったいないですよね。
「歩く提案書」作りのコツは、「読むだけで理解できる提案書を作る=ストーリーを加える」です。
何故この提案に至ったのかを補足がなくても理解できるように、私は主に4つのテーマ(提案目的→現状分析→仮説→解決手段)に沿ってストーリー仕立てで提案書を書くようにしています。
単純に提案のメリットだけを並べるのでなく、背景や経緯、前後関係も組み入れます。
以下に簡単な例を書きます。
(例)災害対策が進んでいないお客様への提案の場合
1.[提案目的]
…お客様が得られるメリット、改善される効果など
(例)社員の安全を守る。
(例)事業継続を図る。
2.[現状分析]
…お客様が抱える現状の問題点、課題など
…お客様に対して言いにくい内容でもハッキリと言い切りましょう。
…問題点が明確なほど解決方法がより鮮明になります。
(例)安全対策は進んでいるが、事業継続の対策は行われていない。
(例)今後30年以内に70%の地震が発生する。
3.[仮説]
…現状の分析の結果から更に起こりうる問題点、または改善すべき点など
(例)事が起きた時にしかるべき行動がとれない。
(例)事業の継続が図れない。
4.[解決手段]
…仮説を回避・実行するための具体的な手段
(例)日頃の訓練、教育。
(例)BCPの整備。
ストーリーを意識すると、
一人歩きしてくれる「歩く提案書」が簡単に作れます!
是非一度試してみてはいかがでしょうか。