競馬にはあまり興味がありませんが、以前、重賞レースに優勝した競走馬の名前が「ロゴタイプ」だったことに注目してしまいました。しかもその妹にあたる馬が「ロゴマーク」。「トレードマーク」という馬も記憶にあります。
馬の話はさておき、今回は図案化・装飾化された文字・文字列を意味する「ロゴタイプ」を取り上げてみようと思います。
ロゴタイプとは
「ロゴタイプ(logotype)」とは、団体名、商号、商品名などを表示するのに使われる意匠文字のこと。ギリシア語の「ロゴテュポス」に由来した「ロゴ(言葉)」と「タイプ(活字)」からなり、「ロゴ 」と略して呼ぶこともあります。
文字ではなく図形的、イラスト的なものは「ロゴマーク」という言葉が多く使われますが、こちらは日本でのみ使われている和製英語です。
ロゴタイプの歴史
歴史を辿ると、「ロゴタイプ」はもともと活版印刷において使われた用語でした。
活版印刷は活字を組み並べた版を使う印刷方法のこと。原稿に従って活字棚から活字を拾い、文選箱に納めるという作業の中で、頻繁に使用する単語を、毎回1文字1文字組むのが面倒だったため、単語単位で活字を鋳込んで合成活字をつくるという方法をとりました。
この組まれた文字群を「ロゴタイプ」と称したようです。
時代は定かではありませんが、この「ロゴタイプ」が企業名や商品名などにおける統一性や訴求性を意識したシンボリッ
クな装飾文字に対する呼称として称されるようになりました。
その後、1930年代には、企業文化に基づいた独自性の高いイメージを構築するため、わかりやすいメッセージで発信して存在価値を高めていく企業戦略のひとつの概念として「CI(corporate identity)」がアメリカではじまり、日本では1960年代頃から「ロゴタイプ」という呼称が使われるようになり、1970年代から80年代にかけて、日本における「CIブーム」が起こった頃から一般的に認知される用語になりました。
因みにCMなどにおいて、自社の呼称や商品名などにメロディをつけたり、音響でアピールしたりするブランド手法に「サウンドロゴ(sound logo)」がありますが、震災の後に耳に残って離れなかった「AC ~」や、「リーブ21」など、文字を見ただけでメロディがついてしまう「サウンドロゴ」も多いはず。